

-- 今回のリリースに対する第一声としては、「まさかこんなことが起きるとは」って感じなんですけど。
難波 そうだよね、うん。
-- 2人の率直な感想は?
難波 そうねぇ、ケンくんから「スプリットやらないか」って連絡がきたのがハイスタの去年のツアー(「THE GIFT TOUR」10月26日~)の前だったんだけど、ビックリした。ビビったよ。
横山 うん。
難波 ケンくんなりのビジョンがあってのことだろうけど……話が壮大すぎちゃって、最初はイメージが湧かなかった。「ハイスタがこれからツアーをやろうとしてるっていうのに、なぜこのタイミングで……!?」って。でも、理解しなきゃと思った。
-- そりゃあ、ハイスタのことで頭がいっぱいの状況ですもんね。
難波 そう。音源出すにしてもまず曲がないし。でも「やるっしょ! やりますよ!」ってすぐに言ったよ。
-- 横山さんは、ハイスタのツアー前によくそんなアイデアを思いつきましたね。
横山 う~ん……ね! それは俺も不思議なんだけど……ハイスタはもちろん一生懸命やる。みんなで知恵と力を出し合って全力で作品を作って、全力でツアーをブチかます。それは当たり前なんだけど、自分のバンドのこと、KEN BANDのことを考えるのも当たり前で。どっちも120パーセントの気持ちでやってるし、120パーセントを要求されるなら150パーセントでやるのが当たり前だと俺は思うの。他の人にとってはどうか分からないけど、俺にとってはそうなのね。だから、ハイスタだってもちろんやる。KEN BANDだってもちろんやる。今の「もちろん」ってところ、太字で書いといてっ!
-- (笑)。
横山 だから、「THE GIFT TOUR」が終わったら、2018年からはまたKEN BANDをやるわけで、それにあたって「何が刺激的かなぁ」って考えたの。そのときに思ったのは、これは俺の話だけど、ただ曲を作って、次のアルバムを出そうって感じではなかったのね。そうじゃなくて、もっと刺激的なことをやりたいと思った。でもそれが何かまでは分からなくて、いろいろ考えてるときに、ふと「ナンちゃんはどうするんだろう……ん? ナンちゃん!?」って。そこで浮かんだのが今回のスプリット。これは絶対面白いと思った……っていうことがひとつ。
-- おお、唐突に“ひとつさん”が(笑)。
横山 (笑)だからね、これははっきり言っておきたいんだけど、「どっかのバンドとスプリットをやりたい」って発想から思いついたことじゃないんだよ。「ナンちゃんのバンドと何かをやる」ってことに意義を見出したの。
-- なるほど。「手始めにスプリットから動いてみよう」っていうことではなかった。
横山 全く違う。全然違う。ナンちゃんの、NAMBA69以外だったら意味がない。ナンちゃんとやるから面白い。そんなことを去年ハイスタのツアーの練習をしながら思いついて。
-- そんなタイミングでそんなアイデアが浮かぶのが異常なんですよ。
横山 ……ハイ!
-- 難波さんからはどんな返事がくると思ってましたか?
横山 う~ん、分からなかった。予想はつかなかったけど、とりあえず思ったことはぶつけてみるしかないと思って。そしたら、さっきナンちゃんは「えっ」って思ったって言ってたけど、実際には快諾してくれて。……話は飛んじゃうけど、今回出来上がったモノとか、俺たちのここまでのストーリーとか、全部のことに満足してるよ。
-- これ、10年前だったらまずありえない出来事ですよね。ある意味、ハイスタが復活するよりもすごいことだと俺は思っていて。
横山 おお、そんなこと言っちゃう?
難波 なるほど。
-- Hi-STANDARDって誰のものでもないというか、ひとつの大きな山じゃないですか。自分の意志とは別のところで動くというか。
横山&難波 確かに。
-- だけど、KEN BAND、NAMBA69っていうのは横山さん、難波さんそれぞれの核じゃないですか。他のメンバーやそれ以外の誰かが何を言おうが、自分自身が100パーセント納得しないと動かない。そんな2組が、あれだけバチバチしていた2人が、ここでがっちり組むというのはとてつもないことだと思うんです。そのことをお客さんには知ってもらいたいですね。
横山 うん、そうだね。そういう意味でも前例がないと思う……(ちょっと考えて)うん、だからみんなにもそういうことを知ってもらいたいって気持ちはもちろんある。誰もやらなさそうなことを俺たちはやり遂げそうだぜって。
難波 うん。
-- 難波さんとしても思うところはすごく大きかっただろうと思います。
難波 うん。大きかったね。だって、ケンくんと出会ってハイスタが始まって、そのハイスタの活動が止まって、そのあとにKEN BANDが始まって、いろいろな活動を経て今のNAMBA69があって……。形態は全然変わってるんだけど、そこも含めてひとつの……。
横山 うん、分かるよ。全部がひとつの流れだもんね。
難波 そうそう。そうやって流れてきてるんだよね。ケンくんもメンバーチェンジがあったり、いろいろあったわけじゃない? 俺とケンくんは2つの違った道を歩んできたんだよ。でも、最近対バンができたこともすごかったと思うけど、こんなにガッチリ何かをやるだなんてことは想像だにしなかったというか、本当に奇跡的なことだと思う。
-- 本当にそうですよね。
難波 そんなことをあのハイスタのツアー前にイメージできちゃう、ケンくんのその発想力ってすごいよ。……あと、ケンくんは俺らのことも考えてくれてるのかなって思った。NAMBA69にチャンスをくれたというか。今回のレコ発にしても、NAMBA69はこれまでZepp規模でツアーをやったことなんてなかったから、みんなに見てもらえるチャンスなわけで、そういうことも考えてくれたのかなと思う。
-- うんうん。
難波 ケンくんが最初の電話で言ってくれたのは、「ハイスタはこれからツアーもあるし、これまでもすごいことをやれてこれてる。だったら、今度はKEN BANDとNAMBA69っていうバンドもいるんだっていうことを世の中に見せつけようよ」って。「ハイスタのツアーが終わってからのことを考えると、別々に活動するよりも、一緒にやったほうが絶対に効力あるよ」って。そのイメージ力がすごいなと思った。
横山 これは俺がレーベルオーナーだから思うことなのかもしれないけど、CDや音源を作ることってすごく大変なことなのね。CDは売れないから作らないって人も今は増えてきたけど、やっぱりミュージシャンにとって作品は一番のステイトメントなんだよ。今回、こうやってスプリットを作るってことは、2バンドで47都道府県ツアーをすることよりも説得力があると思うんだよね。それをやれたのがうれしい。
難波 そう、一緒にツアーを回る可能性は今後もあるのかもしれないけど、やっぱり作品を持ってのツアーは次元が違うよね。しかもスプリットで。俺からしたら、それがピザからリリースされるわけじゃない? 復活したあとのHi-STANDARDの作品がPIZZA OF DEATHからリリースされたことももちろん感慨深かったけど、PIZZA OF DEATHのトップ・KEN BANDとのスプリットがピザからリリースされるっていうさ。これだけたくさんのバンドがいるのにNAMBA69が選ばれたんだよ。もちろん、ケンくんはハイスタ以降のストーリーを考慮して俺らを選んでくれたんだろうけど。KEN BANDはスプリットってこれまでやったことないでしょ?
横山 4 WAY SPLITはあるけど(2009年リリース『The Best New-Comer Of The Year』)。がっつり2バンドでっていうのはないね。ハイスタとWIZO以来かもね(笑)。
難波 そうだねぇ、本当に。
-- それは相当エモーショナルな気分になりますよね。
難波 うん。この気持ちをパッと言葉にするのは難しい。だってPIZZA OF DEATHも、ハイスタの活動休止と共にどうなっていたか分からなかったわけじゃない? でも俺が戻ってくるまでピザは守るからってケンくんは言ってくれたのよ。で、見事にその言葉を守ってくれた。ピザがなかったら、どこのレーベルがこんなことできるのよ。そういう意味ではピザが残っててよかったな。
横山 そうねぇ。