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Ken Yokoyama 6th Album [SENTIMENTAL TRASH]



『Sentimental Trash』全曲解説・前編‐‐
「新しい挑戦と横山節、互いが引き立つものを」

--熱量高く作ったというアルバムが、まず「Dream of You」から始まるのは、ちょっと驚きました。

「ふふふ。敢えて。レコーディングを終えて全体像が見えてきた段階で、ミナミちゃんが『これ一曲目にしようよ』って言い出したの。今までだったら、まず掴みはオッケーみたいな曲を一曲目に持ってきたはずなんだけど、今回はアルバム全体がそういうものではないから」

--正直、最初は、あれ? って感じましたね。やっぱり一曲目はガツンと来るもんだと思っていて。まぁ考えてみればCD世代の思い込みなんですよね。A面B面だった時代のレコードは、決してそういう作りじゃなかった。

「そうそう。で、これはオーソドックスなロックンロールだから(笑)」

--曲調もごくシンプルなロックンロールで、今までになかったもの。

「そう。あとこれには実はラテンとかマンボの要素が入ってる。メロディ・ラインとか、リズムもそうだし。ラテンとかって普段そんなに聴かないんだけど、去年の夏はリッチー・ヴァレンスの「ラ・バンバ」だったり、ポール・シムノンがクラッシュの後に組んだハバナ3am、あとはペレス・ブラードとか、そういうのをいっぱい聴いてた。そのフィーリングをなんとかキャッチしようと。そういう作業が面白くて。今まで、積極的な興味を持って聴くことってなかなかなかったから」

--そしてこの曲は、歌詞がまた……結構なものですね。

「まぁ…… チンコマンコの歌です。誰でも頭の中にいる理想、目を閉じると出てくる理想の彼氏・彼女がいると思うのね。それは実在する人であったり芸 能人であったり。僕の場合はね、今はね、...今はですよ?もうちょっとおっぱいの大きい佐々木希」

--ははは。ちなみに私は豊川悦司です。

「あ、 そうなんだ。でもさ、目を閉じてみればトヨエツさんが自分と一緒に素敵な暮らしをしてるはずなのに……まぁ実際は誰かのおっぱい吸ってるよって」

--うわー、嫌だ。悔しいなぁ!

「悔 しいでしょ! 俺も悔しいもん、そういう、残酷な歌です(笑)」

--わはは。すげぇどうでもいい! 真面目に訊くと、こういうくだらなさや笑いも今回は必要だったってことですか。

「うん。これ実は『Best Wishes』の時の気持ちとすごく密接な関わりがあって。前作の時はすごくシリアスに、震災を受けての自分を歌詞にしたかったんだけど。でもツアーしていく中で、こういうところもあってもいいよなって思うことはあって。たとえば不謹慎だけれども、震災後の避難所ではTENGAが喜ばれたって。それは不謹慎じゃないのかもしれない。俺はよく『政治の話とチンコマンコの話は一緒です』ってステージで言うんだけど、それをここでも出したかったのかもしれない」

--わかりました。次は「Boys Don’t Cry」。これはメロディック・パンクとロックンロールが五分五分で混ざったような曲。

「そう。でもすごくシンプルで。これは後半にできたのかな。そろそろ戻っていこうっていう時期だった」