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Ken Yokoyama 3rd EP [I Won’t Turn Off My Radio]

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なるべくメロディック・パンクから離れたところへ----

--そういう気持ちで曲作りに取り掛かるのは、初ですか。

「初めて。だから自分でもどう説明していいのか去年すごく悩んだなぁ。今は古い音楽が気に入ってることは自分でもわかってて、でも『Best Wishes』の後にいきなりロックンロール・アルバム出したら、この人どうしたの? って思われるだろうし、そうするつもりもなかったの。ただ、なるべくメロディック・パンクから離れたところを意識したし、結果的にもこれはメロディック・パンクじゃないなぁっていう路線の曲がたくさんできあがって。ここに自分の名前を冠して出すなら……っていう腹を括ったのが去年の夏ぐらいかな」

--メロディック・パンクから離れるというのは、『横山健〜疾風勁草編』のDVD特典映像でも話していたことですけど、かなりの衝撃発言だから確認しますね。ギターを買ったのが先ですか? それとも離れようという意識があったから機材を変えたのか。

「いや、ギターが先。新しいギターが先で、それが面白くなっちゃったっていう流れなんだけど。ただ……日本のメロディック・パンクはもう形骸化してるなって、それは昔から思ってた。どれだけ美しいメロディをどれだけ組み合わせたことのないコード進行で鳴らすか。もちろん若手なりの悩みとかチャレンジはあるだろうけど、結局はどれだけ美メロかの勝負になっちゃってる気がする。でも俺はそこじゃないなぁと思っていて」

--少なくともハイスタや健さんは、メロディの美しさだけを求めてこのスタイルを鳴らしたわけじゃなかった。

「そうそう。エッセンスのひとつとして美メロがあるのはいいんだけども、意外とみんながみんな、そっちに向かってる気がするな。知ってる子がそれをやってると『うーん……わかるけどさぁ』って言いたくなるし、知らない人だと『それのどこがパンクロックなんだバカタレが!』って言いたくなるわけ(笑)。もちろんね、みんな可愛い後輩だし、すごくピュアだし、それぞれのバンドを聴けば格好いいなぁと思うんだけど。でも美メロ勝負の流れそのものに対しては全然納得できない。そればっかりでいいの? 他になんかないの? って感じることが多いから」

--であれば、メロディック・パンクをいち早く鳴らしてきた自分はどうするのか、そこを見せたくなった。

「……っていうのは後付けかなぁ(爆笑)。それよりも、ほんとにやりたくなっちゃったの、ロックンロールが」

INTERVIEW BY 石井恵梨子
Vol.02 へ続く