- Interview Vol.01 -
● ついにフルレングスのファースト・アルバムが完成したわけですが。オフィシャルサイトのインタビューで言うべきことではないかもしれないですけど、すごくよかったです。
松本健太 (Vo/B) ありがとうございます! 単純にすごくうれしいです。
● 今回のアルバムは、歌と演奏が一体となって向かってくる感覚がありました。芯が太くなっていて、そして突き抜けている。すごくエネルギッシュですよね。そして歌詞からはナイーブな部分や泥臭さ、エモーショナルな面が強く伝わってきて。WANIMAの全力投球の音楽を受け止めているうち、自分も一緒になって駆け上がっていくような気分を味わいましたよ。
藤原弘樹(Dr/Cho) ありがとうございます。
● あと思ったのは、去年、ミニアルバム『Can Not Behaved!!』でデビューした時は《新しい可能性を提示しているバンド》という印象を強くもったんですが、今回はもう「新しい」とか、ジャンルやスタイルもまったく意識せずに聴いていたんですよね。それはたぶん、WANIMA節がすでに確立されているということだと思うんですけど。で、そこであらためて浮かび上がってきたのが歌の魅力でした。特に小さい音で聴いたときによく分かるんですけど、歌がしっかり届くんですよね。そこはやっぱり、パンク系のバンドにはあまりない部分で。歌のもつ普遍的な力をあらためて思いました。
松本 それは純粋にうれしいです。
● もしWANIMAがただの《キャッチーなお祭りバンド》と思われているんだとしたら、「それは違う」と強く言いたいですね。
松本 はい、そう思われているとしたらすごく悲しいですね。
● 今回のインタビューでは歌詞をはじめ、WANIMAの根底にある部分を掘り下げてうかがえたらと思っています。
松本 よろしくお願いします。

● まず、デビュー作『Can Not Behaved!!』はデモ音源に入っていた曲も半分くらいあったわけですが、今回は?
松本 今回はほぼ新曲です。「THANX」という曲は、まだお客さんが2〜3人のころからやっているんですけど。
● 「THANX」、すごくいい曲ですよね。昔からやっていたんですね。
松本 実は「THANX」のサビの部分(《ありがとうを込めて歌った、この気持ちに嘘は無いと/さよならが教えてくれた 離れるのは距離だけと》はもっと昔──ぼくは高校3年生の時に一人で東京に出てきたんですけど、その前からできていて。自分のなかではすごく古い歌なんです。《離れるのは距離だけと》の《と》の部分は、熊本の語尾に「と」を付ける方言と、「……」みたいな含みがあったりして。だからちょっと照れくさいんですけどね。
藤原 あとは「1CHANCE」もデモCDに入っていた曲ですね。
松本 駆け出しのころに売っていたデモCDにも入っています。「1CHANCE」がWANIMAで初めてエロをやった歌ですね(笑)。あとは「いいから」と「TRACE」が先行シングル「Think That…」に収録されていて。あとは全部新曲です。
● 新曲にはこの1年間で経験したことや感じたことが反映されている?
松本 ここ1年を問わず、今までに経験したことのなかから思ったことを書いていますね。
● 新曲を作るにあたって考えたことって、何かありますか?
松本 3人で音を合わせていて「今のいいやん!」ってなる感覚を基準に、とにかく3人が全員一致でいいと思えるものを。「1曲目はどういうものを作ろうか」とか考えたところもありましたけど、とにかく3人が大好きな歌が揃った感じですね。ずっと聴けるアルバムができました。
● 本当、3人が一丸となった感覚が強く出ていると思いました。そこは意識的に重きを置いているんですね。
松本 おれと(西田)光真は保育園からずっと一緒で、フジくんは知り合ってもうすぐ3年になりますけど。特にツアー中とかは常に一緒にいるので、チームでやっている感はすごくあります。
藤原 どんどん密になっている感じがしますね。
西田光真 (G/Cho) 団結力はありますね。みんなの意識が一致している感じがすごくあります。