- Interview Vol.01 -
● WANIMAは常にライブをやっているような印象がありますよね。
松本 全部が同時進行な気がしますね。ライブもレコーディングもワンチャンも(笑)……。
藤原 曲作りも。
松本 「Think That…」のツアーは1ヵ月で12本のライブをやったんですけど、宮崎の1箇所だけソールドしなかったことが悔しくて……。あと20枚だったんですよね。
● 地元の熊本に近いのに。
藤原 初めて行った場所だったんですよ。
松本 でも、初めて行った土地でも毎回、すごくお客さんが求めている感じが伝わってきて。それはおれたちのキャラだけじゃなく、曲ですよね。みんな、おれらの曲を聴いて来てくれていて。関係者から「今日も大合唱だったね、みんな歌ってたよ」ってよく言われるんですけど、それって、それだけCDを聴き込んだ上で来てくれているということじゃないですか。すごくありがたいですし、うれしかったですね。だからその分、いろいろな責任も生まれましたし。
藤原 そうですね。
松本 だから、いろいろ同時進行で、振り返る間もなくやってきたんですけど、そういうことがあったので苦しいとかは一切なかったです。自分は音楽をやりたくて東京に出てきたわけだし、音楽をやれていることがすごくうれしいです。
● しかし、藤原さんと出会ってから約3年、CDデビューしてから1年。展開が早いですよね。

藤原 早かったですね。ありがたいです。
松本 それまでやれんかった時期がすごく長かったので。そのやれんかった期間があったからだと思うんですよ。やっぱり、歌詞もそうですけど、苦しいこととか悲しいこと、どうしようもないことを経験した人ほど、やと思うんですよ。そういう経験を乗り越えてきた人たちほど、本当の意味で笑えていると思うんですよ。そこを信じている部分があるので、諦めずにやってきてよかったなって思います。
● 最初にも言いましたけど、確かに「キャッチー」で「お祭りバンド」という側面もあるかもしれないけど、それ以上に下地の部分にナイーブさと泥臭さがあって。その下地の部分をもとに、ブチ上がっていこうよ、ということだと思うんですよね。だからこそ説得力をもって響くわけで。そういうことですよね。
松本 はい。
● ちなみに、今年の夏に何度か海に行ったなかで、よくかかっていたBGMが関ジャニ∞の「前向きスクリーム」とBRADIOの「スパイシーマドンナ」の2曲だったんですよ。《前向き前向き》ってポジティブを推す曲と、《君のBomb! Cute! Bomb!で遊ばせて》っていう、ちょっとエロいパーティーソング。世の中ではこういう曲が求められているのかなって思いながらも、ぼくにはちょっと分かりやすすぎて物足りなかった。その二つの要素はWANIMAにもありますよね。
松本 逆に、あっちの方がおれらを真似しとるんやないかな(笑)。
● 「1CHANCE」は以前からやっている曲ですしね(笑)。
松本 そうですよ、おれらの方が先にエロをやってるんですよ(笑)。
● 一緒にしているつもりはないですけど、WANIMAの方がやっぱり響きます。
松本 エロに関しては、真面目ばかりだと疲れちゃいますし、やっぱりどこかに逃げ場がないと。エロがはけ口だとは言わないですけど(笑)、おれらはエロカッコイイ音楽が好きだったので。海外のR&BのPVとか、セクシーでエロカッコイイじゃないですか。
● 今回のアルバムに入れたということは、これからも歌っていきたいと。
松本 はい。《迷いなら捨てて 後腐れ無しで!!》って、今でもそう思っていますから。
● 実はエロだけではない曲だったという。それで、「ポジティブになろうよ」みたいな歌は、WANIMAはどんな意識でやっているんでしょうか。
松本 「ポジティブになろうよ」っていう感じでもないんですよね。