![DRADNATS [MY MIND IS MADE UP] RELEASE INTERVIEW!! vol.01](img/logo-int.jpg)
--でも、ハイスタは止まっていたとはいえ、ハイスタチルドレンなんて言葉もあったくらい、モロ影響下にいるなって思えるバンドはたくさんいた時期じゃないですか。そういう中で、こういったバンド名にしたことで、何か思うところはなかったんですか?
ヤマケン: そんなに意識がなかったのと、STANDARDを逆にしてハイスタ大好きです!って言っているわりには、曲はハイスタっぽくなかったので。そこが他のバックトゥザ90年代って言っていた子たちとは、ちょっと違うのかな。ハイスタが好きでバンドをはじめて、ハイスタみたいになりたいって掲げているんじゃなく、ハイスタみたいなことをやりたかったんですよ。AIR JAMに出たいんじゃなくって、AIR JAMみたいなことをやりたいっていう。そういう奴らに対して突っ張ってた時期もあったので。同じライヴハウスに出て、つるんでるのがダサいと思っていたし。その温度差はあったかもしれないですね。
--敢えて、まんまハイスタのような曲を作らないようにしようとしていたんですか?
ヤマケン: いや、そういう曲が作れなかったんですよ。声も合わないんですよね。自分のヴォーカルだったら作れたかもしれないんですけど、キクオは綺麗な声をしているんで、そうなってくると、もっと綺麗なメロディの方がのりやすいのかなって。
--突っ張ってた時期っていうのが……ヤマケンさんらしいですね。
ヤマケン: ありましたねえ。同世代に突っ張ってた時期、先輩に突っ張ってた時期、いろいろ俺はあります。昔っからそうでした、中学生くらいから。
--DRADNATSと同世代のメロディックパンクのバンドからも、00年代中盤から後半に掛けて盛り上がりを感じたことがあったんですけど、今は解散したり淘汰されてきているじゃないですか。そういう現状に対しては、どういう思いがありますか?
ヤマケン: 当時はあんまり実感がなくって。そんな際立ってセールスがあったわけでもないし、単純に何百人を集められるレベルで、単体で何千人のレベルのバンドは出ていないので。でも、今となってみれば、盛り上がっていたのかなって思うし、結構みんな辞めちゃったんで、寂しいですよね。続ける続けないは本人たちが決めればいいですけど、気付いたら辞めてんなあって。俺らにとってはライバルが減っていいですけど、仲いい悪いは関係なく、ライヴハウスを盛り上げようとしていた奴らが、いろんな理由で辞めていったのは、寂しいですね。

--DRADNATSがここまで続いているのは、やはり結成した時の意識が高かったからですかね。
ヤマケン: それは結果論で、みんなそう思ってはじめたと思うんです。俺らはたまたまこのバンドのために集まりましたけど、幼馴染でやっている奴らとかも、どっかのタイミングで、 バンドで食っていきたいとか、こいつらとずっとやっていきたいとか思うだろうし。俺らが辞めなかったのは、その気持ちを、ありきたりですけど持ち続けていただけで。それが一番難しいと思うんですけど。年は勝手にとるし、生活環境も変わるんで。その違いだけですね。
--みんなが持ち続けられた理由って、何だと思います?
ヤマケン: 多分……他のバンドよりも、ずば抜けてバカですね。
二人:はははははは!
--そんな理由!?(笑)。
ヤマケン: 生きていると、いろいろ情報が入ってきて、いろいろ考えるじゃないですか。ハードコアのバンドを見ていると、土日しかライヴをやっていなくて、普段は家族のために働いていて、週末に自分たちのやりたいことをやりたいようにやるだけでいいんです!って言い切っている人って多いじゃないですか。それを見ていて、本当にカッコいいなって。でも、俺らみたいなジャンルってハイスタがいるんで、ちょっと夢があるんですよ。音楽でご飯を食べるとか、何万人を集めるとか。俺らは、それを未だにガチで信じてます。CDが売れないって言われている時代でも。
--それ、いい話!
ヤマケン: ほんとは、どう考えても趣味でやっているだけの方が楽しいですもん。二人は東京出身ですけど、こいつ(トノ)は九州出身で、わざわざ地元から出てきて、30歳にもなって、バカじゃないと続けていないです!
トノ: そうっすね(笑)。
ヤマケン: DRADNATSで家族を養っているとかでもないし、DRADNATS以外に東京にいる理由がないですからね。でも俺は、もしかしたら、来年から、このメロディックシーンが、ハイスタの時みたいになるんじゃないかなって、毎年毎年思ってます。
--でも、今こうしてPIZZA OF DEATHからKenさんのプロデュースでリリースできるんですから、信じてやり続けるって大切なことじゃないですか。
ヤマケン: 全然目標には到達していないんですけど、続けていればそれなりにあるんだろうなあって思いますよね。
--これは、若い世代にも聞かせたい話だなあ。
ヤマケン: でも、現段階で俺が言っても、まだ説得力がないので、今の言葉に説得力を付けられるように頑張んなきゃなって思っています、今は。
Interview by 高橋美穂
Vol.2.へ続く
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