Suspended 4th 1st Mini Album [GIANTSTAMP] リリース特設サイト / PIZZA OF DEATH RECORDS

Interview Vol.01

知ってるヤツに対して音楽をやるのって飲み会みたいな感じなんですよ。そうじゃなくて、「この商品どうですか?」って初めて会う人に見せて、箱を開けてみて「うわぁ、ヤバイ!」っていう反応を見るのが一番の醍醐味なんですよ。――――

-- そんなことをやっててお客さんまで置いてけぼりにはならないんですか?

ワシヤマ 置いてけぼりになってることにお客さんは気付いてないと思います。そこがSuspended 4thとして一番いいところかもしれないですね。みんな「失敗した」って顔をしない。だからお客さんも付いてこられる。

-- そもそも失敗じゃないんですもんね。

ワシヤマ そうそうそう。何をやっても正解です。

サワダ 一番の失敗はリハ通りにやることです。

ワシヤマ お! カッコいいこと言うやん。

サワダ だって、ちゃんとやった日って反省会になるじゃん。

デニス 確かに。

-- どういう反省会になるんですか?

サワダ 「今日、何も起きんかったね」って。

ワシヤマ 「何も起きんかったね」なんて反省会、ないですよね(笑)。売れるっていうことと自分たちのやりたいことの方向が真逆なんで、今後はそこをどうやってすり合わせるかっていうのが課題ですね(笑)。

デニス でも、そこを突き詰めたら、それがビジネスになる気がします。

サワダ そうだね。新しい……新しくはないか。古いことを今やってるだけっていう。

-- ミュージックビジネスの仕組みがしっかりできあがった今の時代に、どれだけ古いやり方を貫いていけるかって感じですよね。

デニス 歌舞伎みたいな伝統芸能にちょっと近いかもしれないです。

ワシヤマ 本来はこういう楽しみ方をするんだぜっていうことをどんどん見せていきたいですね。

-- ストリートのよさってどこにあるんですか?

ワシヤマ 知らないヤツしかいないってところですね。知ってるヤツに対して音楽をやるのって飲み会みたいな感じなんですよ。そうじゃなくて、「この商品どうですか?」って初めて会う人に見せて、箱を開けてみて「うわぁ、ヤバイ!」っていう反応を見るのが一番の醍醐味なんですよ。

サワダ 実演販売じゃん(笑)。

ワシヤマ そう。そういう感覚を味わいたくて音楽をやってるから。

デニス バンドが大きくなってストリートでやるのが難しくなっても、別の方法で実演販売的なことはやっていきたいし、それをやるときに「おお!」って驚かせるようなものをつくっていく自信はあります。

ワシヤマ 曲だけじゃなくて、ライブの運び方とかもね。歪んでるんですよね、性癖が(笑)。向こうから求められるのが嫌っていう。こっちから振り向かせるほうがいい。ライブハウスでもそういう感覚を与えられるようになりたいですね。

-- ライブハウスだからダメっていうことじゃなくて。

ワシヤマ ライブハウスでも新しいものを与えられるように、ストリートでその感覚を養いたいッス。今のライブハウスだとなんも生まれないんで、新しい形でやれたらなっていうことはいつも考えてます。

-- さっき、LAでフィールドレコーディングをしたって話していましたが。

ワシヤマ そもそも、路上でレコーディングするっていうのがアホなんですよね。まあ、普通のレコーディングッス。鈴木礼人 っていう、フィールドレコーディングだったら彼っていうぐらいのスペシャリストがいて、彼を中心にいかにストリートっぽく録れるか挑戦したくて。

デニス 信号機の下にマイク立てたり。

ワシヤマ そうそう。あと、歩行者がいるほうにマイクを向けて、自転車がブレーキかける音まで録ったり。

-- 環境音も敢えて録って混ぜるっていう。

ワシヤマ 楽器の音だけなら普通のスタジオで録ったと思うぐらいのクオリティなんですよ。その上に信号とかの音をふりかけるっていう。フィールドレコーディングであそこまで録れるバンドは俺ら以外地球上にいないと思います。

Vol.02へ続く...
Interview by 阿刀大志