Suspended 4th 1st Mini Album [GIANTSTAMP] リリース特設サイト / PIZZA OF DEATH RECORDS

Interview Vol.01

お客さんが無数にいるっていうのはライブハウスだとありえないじゃないですか。そこだけッスね。歩行者の足をいかに止めるか、みたいな。――――

-- 確かに今、アメリカでロックの人気は落ちてますもんね。

ワシヤマ なんなら日本のほうが盛り上がってる。

デニス もはや珍しがられてた。

サワダ 「懐かしい!」って感じのね。ポリスメンもパトカーのなかから親指立てて、そのままビューって通り過ぎていったり。初日にも目の前にパトカーが停まって、「ヤバイ!」って思ったんですけど、ただ聴いてただけだったっていう。

フクダ しかも、「CDねえのかよ」って言われてね。

サワダ CD持ってきてなかったから怒られました。「ホワイ?」って。

-- へぇぇ~。

デニス 勤務中なのに(笑)。

-- 確かに(笑)。そもそもなんでサスフォーは路上でライブをしようと思ったんですか?

ワシヤマ 先輩のバンドがやってるのを見て、俺らも出来るんじゃね?って。それだけです(笑)。あと、名古屋のシーンがあまり盛り上がってなくて、路上のほうが盛り上がってるんじゃないかっていうぐらいで。ライブハウスでやるよりも路上のほうが得るものが多い、みたいな。

-- 何が違うんですか?

ワシヤマ お客さんが無数にいるっていうのはライブハウスだとありえないじゃないですか。そこだけッスね。歩行者の足をいかに止めるか、みたいな。最近、ありがたいことに事前に告知をするとめちゃめちゃ人が路上に集まってくれるんですけど、それも違うなって最近思ってて。だからたまに告知せずにやったりして、俺らのことを知らない人の足をいかに止められるかっていうことにチャレンジしてます。それってライブハウスだとあまりできないじゃないですか。

デニス ふらっと立ち寄るライブハウスなんてないですから。

-- 確かに。ライブハウスと路上で演奏とか気持ちの見せ方って変わってくるものなんですか?

ワシヤマ まず、聞こえる音が違いますね。ライブハウスは壁があるから音が返ってくるけど、路上だと音が飛びっぱなし。だから、俺にはサワダ氏のギターフレーズが聞こえないし、路上だとお互いの指板を見ながら何を弾いてるか把握しないといけないんですよ。だけどライブハウスだとその必要がないから気持ちがラクですね。路上のほうが必死です。

サワダ バスケにたとえるなら、ライブハウスは公式戦で、路上は3on3みたいな感じですね。

デニス 路上でやるとみんなそうやって演奏に困ってるから、俺は好き勝手にやっていいや~って感じなんです。

サワダ こいつ(デニス)にクッソもてあそばれるんですよ。

ワシヤマ 構図的にはデニスが運転席で、俺がボンネットに乗って方向を指示するんだけど、デニスが全然言うことを聞かないこともあるっていう。で、あとの2人が扉のない後部座席に座ってる感じで、「こいつらをいかに振り落とせるか」みたいな感じでやってます。

-- 振り落とそうとするんだ(笑)。

サワダ 落ちるか落ちないかギリギリでしがみついてるときにめっちゃいい感じになるっていう。落ちたら落ちたでそれはまた面白いし。

フクダ 普通に置いてかれるよね。

-- でも、振り落とすぐらいじゃないとスリリングさが出てこない。

ワシヤマ それぐらいのほうが面白くないですか?

デニス 身の危険を感じてるほうが生きてる気がする(笑)。

サワダ 面白いことに、お客さんの反応が一番いいのもそういうときなんですよ。「どうなる? どうなる? 行ったー!」って。それが楽しくてやっちゃうんですよね。

-- じゃあ、みんなの呼吸がバッチリ合った瞬間が気持ちいいっていうのとのはまた違うんですね。

ワシヤマ 全然違うッスね。誰も呼吸合わせようとしてないですもん。

サワダ 気持ち悪さが気持ちいい。

ワシヤマ みんな裏をかいて、呼吸をちょっとズラすんですけど、ズラした先で合う瞬間が一番気持ちいいかもしれない。

サワダ 「こいつら引っ掛けたろ」って思ってやったらバチッと合っちゃって(笑)。

ワシヤマ 「お前もそれ考えてたの? お前と同じ発想なの嫌だー!」みたいな。