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SAND 4th Album 発売記念インタビュー



Interview Vol.02 ---
ほんとに思ってる? そこを見ています


あんま好きじゃなかった、全部が。

-- 今は充実もあれば嬉しさもある。それでも歌うときにまず怒りが出てくるっていうのは、なぜでしょうね。

Makoto みんな両方あるじゃないですか。いい気分の時と、すっげぇムカつく時。人間だったら絶対どっちもあって、そのすげぇ汚いところを俺らは表現してるだけ。俺らも当然みんなと同じように半分は持ってるんですよ。いい心っていうか、気持ちいいところ。でもそっち側は歌ってる人がいっぱいいるから。

-- それだけが理由ですか? 今回の「PAINT IT BLACK」曲に、“俺たち全てはここから始まった/純度100%の憎悪”っていう歌詞があって。すごいパンチラインだと思う反面、これって一体何なのかなと思います。

Makoto なんでしょうね? とにかく……昔はあんま好きじゃなかった、全部が。

Ishi うん。

Makoto ……今思えばちょっと頭が弱くて。何も考えてないのに、すぐ沸点に達して喧嘩してしまう、少し変わった子やったんですよ。怒りしかない。別に恨みはないのに、一気にバーッと怒りすぎて、ワケわかんない感じにキレてしまう。……頭おかしかったんですかね(苦笑)。今思えば、ほんと嫌な奴だなぁと思う。俺、当時の自分とか、今考えても全然好きじゃない。根拠のない憎悪に支配されてた。

Ishi はははは。

Makoto ……あんま言いたくないんですけど、人として未熟すぎて、間違ってることを悪びれることもなく平気でやってたから、あの頃は。で、今質問されてるその曲の歌詞の描写のエグさって、その当時の感覚からそのまま来てるんだと思うんですけど。パンドラの箱的な(笑)。

-- Ishiさんは長い付き合いですけど、そういうMakotoさんの性格をどう見ていましたか。

Ishi なんだろうな、思い通りにいかなさすぎることが多かったのかな、って思いますよ。今思えば本人が間違ってるところもあるんですけど、とにかく「こうって思ったらこうや!」っていう性格。気に食わないことだらけで思い通りにならない現実。偶然見つけたハードコアバンドってものが、自分の暴力性や反逆精神と相性ピタッて合ったのかもしれないですね。それまで何もなかったんで、そういう鬱憤を晴らすものが。

-- それだけ抑圧された環境だったとも言えますか。

Ishi いやいや、それは別に。世間ではもっと大変な環境の人がいると思うし。でも物事の捉え方ですよね。何かに対して脳みそがイーッ!ってなるのが早い。そこ、俺とMakotoは人と違ってたかもしれないです(笑)。

Makoto ……馬鹿すぎるよな。ガキだったし、とにかくツンツンしながら歩いてて、目ぇ合ったら「オラァ!」っていきなり襲ったりして。そしたらすげぇ人数いっぱい出てきて、逆にボッコボコにされちゃったり。んで、後から(腕に)包丁ぐるぐる巻きにして「返しじゃボケー!」って襲いに行ったりとか(笑)。

-- ………はははは。

Makoto きっかけ作ってんの自分なんですよ。じろじろ見て、たむろしたり偉そうにしてる奴見つけると、なんかムカつくなーと思う。それで自分からちょっかい出してるわけで。馬鹿なんでしょうね、放っときゃいいのに。でもなんか、今思えばですけど、寂しがり屋だったかもしれない。寂しがり屋で愛情表現ができなくて、なんか自分が歩いてるエリアにそういう連中がいると、イラつくっていう感情が一気に出てきて。それでちょっかい出すっていうか。うん……。

-- Ishiさんも、似たような感じの10代ですか?

Ishi いや、僕はそんな外に攻撃していく感じじゃなくて。でも感じてるところは近かったと思いますよ。その沸点というか、「なんなんこれ?」って思うところも同じ。で、Makotoはすぐ「オラァ!」って行くタイプですけど、僕はまぁ……だからギター弾いてるのかもしれないですね。そういう(攻撃的なものを)妄想しながら(気持ちを)そっちに向けていく、みたいなところはあるかな。