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SAND 4th Album 発売記念インタビュー



暴力的って、人を傷つけるという意味じゃない。

Ishi たぶん、何がクールか、それだけ。僕らが10代前半の時に受けた衝撃っていうのは、ちょっとキチガイぽかったり、「なんじゃこいつ? 悪いなぁ!」って思えるもので。それは今も絶対残ってる。自分らもライブやるなら「なんじゃこいつら」って思ってもらいたいし。それがただの暴力性だけやったら違うと思う。もっと大きな遊び方というか。

-- 大きく捉えれば、暴力性も攻撃性も遊びの要素になる。

Ishi うん。やっぱり曲作るときはフロアでみんなが大暴れしてるイメージがまずありますし。曲の元ネタは、僕であったり、もうひとりのギターのKoshinが持ってくるんですけど、メンバーでアレンジしつつ、やっぱりエネルギーがドーンと来るようなものを目指していくから。ただ腕組んで見てるんじゃなしに「うわっ、こんなん聴いたら体動いてしゃあないな」みたいな、そういうイメージで。

-- 暴力というより、体が動く本能。

Ishi そこはほぼ同じというか。俺らの中ではリンクしてるよな? 暴力的っていうのは、人を傷つけるって意味じゃなくて。モッシュであったり、もうみんなが無茶苦茶になってる状態。CHAOS。それも“暴力的”っていう言葉の中に入ってるんだと思う。気づいたらもう脳みそで考えてなくて暴れだしてるような。

-- そういう曲がまず用意される。そこに歌を乗せるMakotoさんは、まずどんなイメージを浮かべ、どんなことを考えていくんでしょうか。

Makoto ………あぁ、なんすかね? 俺、よくよく考えると、あんまそういうのないですね。お客さんにどう感じて欲しいとか、他のバンドより薄いかもしれない。別にどうでもいい、みたいなところもあります。思ったことを素直に書いてるだけで、書いてるうちに話が変わったりすることもあるし。それでいいんですね。これが書きたいテーマだ、とか考えないし、すげぇ見て欲しいとも思ってなくて。もちろん「どうしてもこのニュアンスは英語にできない」っていうところは日本語詞を修正しますけど。

-- 意味とか辻褄よりも、音やインパクトを重視する感じですか。

Makoto もちろん曲を何回も聴いて、気持ちいいとこにはめていく作業も考えますし、絶対ここは切っちゃダメだろうっていうところは気をつけたり。あと、普通の人だったらここにこんな乗せ方しないだろうな、みたいなのはたまに狙ってますね。普通に(ビートに合わせて言葉を)置きに行くよりかは、ちょっとこうしたほうが面白い、みたいなところ。

-- あぁ。あえてズラしてるのか、本来乗らないところに無理やり乗せたのか、どっちかわからない箇所は多いです。

Makoto 両方ですよね。どっちかわかんないっす(笑)。でも難しいところは何十テイクもやりますね。どうしてもダメだってならないと、基本決めた乗せ方は変えない。

-- そのオリジナリティはどんどん強くなっていますよね。

Makoto そうっすね。最初は「変わった乗せ方するね」とか言われてたんですけど。最近はそれがやっと板に付いてきたのかな、と思います。

-- 初期の音源は、MADBALLとか好きなんだろうなって思ったんですけど。今回はそういう比較対象が出てこないんです。

Makoto あ、そうっすか? ……今も結構好きですけどね(笑)なるべく何かの焼き直しみたいにならないようにしたい。「ニューヨークとデトロイトにはSANDの影響を受けた新しいバンドがちょこちょこ出てきてるよ!」って外人から言われて。それは、嬉しかったですね。

Vol.02へ続く
Interview by 石井恵梨子