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RAZORS EDGE 6th Album [RAW CARD]


-- (笑)あとは、ケンジコのボーカリストとしての存在がより前に出てきたと思った。

「SONIC」のツアーからがなって歌うようになって、それから5年以上ライブで培ったものを今回はそのまま出せたかな。

-- なんでライブでの歌い方を変えたの?

喉が枯れないように歌うのが嫌になって。ちゃんとケアしても枯れるときは枯れるし、シャウトしなきゃいけない時にシャウトしてないハードコアの曲なんて生きてないからさ。たとえ明日歌えなくなったとしても、元々自分がやりたかったスタイルを無理してでもやってみようって。それで毎回叫んでたらだんだん枯れないようになってきた。だから、自信満々に歌えてる感じが違いを生んでるのかもしれないね。

-- ここにきて進化を遂げたと。あと、今回は日本語の曲が増えました。

増えたねぇ。さっきも少し話したけど、言いたいことが固まってきたことで「英語じゃ伝わらねぇや」と思って。

-- 詩の内容も「THRASH'EM ALL!!」ではただの悪口だったけど、今は深みが全然違う。

ああ、自分ではそういう自覚はないかも。今も昔も文句だけ言ってる気分。

-- 人間として成長してるってことだよね。

あはは! まあね。前だったら「ボケ!」だけだったものが、そこにちゃんと理由をつけて言えるようになったし。

-- 話を聞いてると今回は本当に自信作なんだね。

そうだね。ウソがないというか、等身大の作品になってると思う。オーバープロデュース感がないんだよね。

-- うんうん、そう思う。そして、その感じはお客さんにも伝わると思う。しかも、今後の展開を期待させる内容にもなってると思う。

ああ、それは間違ってないよ! 今回外した曲をもう一回突き詰めたらこれぐらいの作品は作れそうな気はしてる。

-- ここにきてバンドのモチベーションの高さを感じます。じゃあ、せっかくケンジコ1人に話を聞いてるので、他の3人について解説してもらおうかな。まずはミサイルから。

ミサイルはレイザーズの屋台骨。ベースがめちゃくちゃ上手いのよ。レコーディングで録った音を聴いても、全くと言っていいほど波形がドラムに対してズレてない。こんなに速い音楽をやってるのに大きい会場でも観衆に伝わるのはミサイルがいるからなんだよね。ミサイルに合わせてギターを弾いたり、ドラムのテンポを整えたり、歌を乗せていけば、必然的に聴きやすいサウンドになるっていう。バンドの精神的な部分を担うような頭を使うことは全く出来ないんだけど、あいつがいるからレイザーズが続いてるっていうのはある。

-- なるほど。じゃあ、きっちゃん。

きっちゃんは今、レイザーズで一番クレバーなんじゃないかな。悩んだ時にはまずきっちゃんとタカくんに相談するんだけど、きっちゃんは冷静にビシっと物を言ってくれることが多い。音楽をやることに対してすごく前向きだから、すごく話がしやすいんだよね。

-- タカくんは?

いつ寝てるのか分からないぐらい努力家だから、最近はちょっと疲れてそう。ちゃんと寝て欲しいなと思う。あと、ライブのスケジュールとか移動に関してマネージャー的な動きをしてくれるし、RAZORS EDGEが一番変わったのはタカくんのギターが入ってから。そのお陰で俺が作りたい曲が作れるようになって、どっしりしたサウンドを出せるようになった。しかも、俺が難しいことをやらせようとしても嫌な顔せずに真面目に取り組んで、ものにしてるからね。見習うべきところが多いよ。

-- 今のレイザーズは本当にいいバランスで成り立ってるんだね! 一時期は「この先どうなっちゃうんだろう?」って不安に思うこともあったけど、こうやって話を聞くとこれからもしっかり活動が続いていくんだなってますます思える。

年はとるし、パンクとかハードコアをやってる人たちは「あと何年出来るんだろう?」って思いながらみんなやってると思うんだけど、俺は逆に燃えてくるんだよね。「55歳になってもあんなダイブがやれたらすごいよな」って思ったらやりたくなっちゃう。

-- このインタビューを経て、今までで一番「RAZORS EDGEって良いバンドなんだな」って思ってるかもしれない。

周りの人からしたら、俺のワンマンバンドみたいな感じのイメージだもんね。「なんで3人はあのちんちくりんに付いていってるんだろう?」って(笑)。

Interview By 阿刀大志