-- 今回、ケンジコ(KENJI RAZORS)と他のメンバー3人とで分かれてインタビューすることになったんだけど、これはナタリーはやってたKEN BANDのインタビューがきっかけなんだよね? なんでこの形でやってみたいと思ったの?
バンドってリーダーがいてその人が曲や詩を作ってる以上はさ、話を聞くのはその人だけでいいわけじゃん? 横山さんもそういう類の人だと思うんだけど、横山さんの急病で急遽他のメンバーのインタビューになってしまいましたっていうのを読んだ時に、「これ、面白そう!」と思ったんだよね。実際に読んだら面白かったし、横山さんが受けてる他のインタビューを読むと話がさらに立体的になって興味深いなって。レイザーズも今までのインタビューは俺が話してるのを他のメンバーが横で聞いてることがほとんどだったけど、「本当はどんなこと思ってるんだろう?」って(笑)。それで、「俺が思ってもないことを話してくれたら面白そうだな」と思ったんだよね。
-- 3人のインタビューは既に終わってるけど、どんなこと話してると思う?
「あの人、A型って言ってるけど絶対A型じゃねーよ」みたいな感じじゃないの(笑)?「言ってることコロコロ変わりすぎやん」とか。
-- いやいや! むしろ、いい話をしてるよ。じゃあ、それは読んでからのお楽しみということで。では、本題に。レイザーズは来年結成20周年で、今のメンバーになってから今年で10周年です。今のレイザーズってケンジコから見てどういう状態だと思う?
今はねぇ、一番悪い時期を越えて良くなりつつある感じ。一緒に過ごしている時間が長いから、そういう人間関係的なものが最終的にバンドの力を産むと思うんやけど、「雨降って地固まる」って感じかなと。
-- 悪かった時期って?
震災後、モヤモヤしてたことが全然解消されないままバンドをやってた時期があったんだよね。今はそこからやっと抜けてきたかなと。あの頃はガムシャラにやりすぎて、「バンドすんのってこんなにしんどいんや」って思った。
-- でも、がむしゃらにやってきたことが今、ちゃんと結果につながってきてると思うけど。
そうだね。バンドをやることってライフワークでもあるんだけど、これまで自分の中では趣味のように楽しんでた部分があって。でも、震災以降はそれだけじゃ済まなくなったじゃない? そのせいで苦しんだし、悩んだりもしたんだけど、そのお蔭でやりたいことがちゃんと見つかった。だから、今回のアルバムを出すまで5年7ヶ月もかかったけど、それはやりたいことを見つけるために必要な時間だったのかなって気はしてる。だから、前作のSONIC(「SONIC!FAST!LIFE!」2010年3月リリース)からガラッと変わった精神性を今回はスッと出せた。