


--Tuyoshi、Utchieとメンツが固まって、すぐに手応えはつかめました?
Minami いや、そのスタジオもあくまでレコーディングに向けてのものだったから。曲を覚えて、少ない時間で要領よくやるって感じだったんで。UtchieにはEGG BRAINのライヴで東京に来るタイミングで一日残ってもらったりして、スタジオ入って。12曲ありましたから、ぶっちゃけ大変でしたね(苦笑)。レコーディングしながら詰めていったんで。Ken BandとEGG BRAINの空いてる時間にしかできないし。エンジニアをアンドリュー(Dr/FUCK YOU HEROES、BBQ CHICKENS)がやってくれたんで、すごく楽しくやれましたね。
--自分がメインとなるバンドでのレコーディングというのは、やはりこれまでの経験とは違った興奮とかはありました?
Minami それはありましたね。初めてですからね、全曲自分が作詞作曲って。あと、試したかったっていうのもありますよね。
--試したかった?
Minami “自分自身がどれだけできんのか?”っていう。なんだかんだKEMURIで10年やって、Ken Bandで6年やって。ずっと作曲はしてきましたけど、自分の作品がどれだけ世の中に通用するか、それを試したかったっていうのがあって。
--その意味では、すごく大きな一歩を踏み出されたんですね。
Minami そうですね。まぁそんな大げさなもんじゃないですけど、これをやらないと、結局脇役というか……いや、全然今のポジションに不満はないんですよ。Ken Bandでの立ち位置とか、本当に楽しいし。でも、こういうのを一個、残しておかなきゃなって。もう43になるわけですけど、これから先のことを考えると、どうやって自分の音楽人生を終えるのかってことまで考えてしまうんですよ。何歳までできるんだろう?とか、Ken Bandの後の自分はどうなんだろう?とか。もし自分が音楽中心の生活をしなくなった時に、こういった作品を残せたのは振り返った時に大きだろうなって。
--自分の存在証明になるべきものというか。
Minami うん。それにみんなに付き合ってもらった感じですね。
--なるほど。1stアルバムそのものに対しては、どんなものにしたいとか、テーマはあったんですか?
Minami 自分の中では、大きな意味での“ロックンロール”っていうか。ロックンロールっていうと、リーゼントして革ジャン羽織ってって感じだけど、本当はもっと幅広いはずで。
--要するに、ロックンロールのフィーリングを慣らしたかったというか。
Minami そうですね。それをもっとポップに表現できたらなと思って。なんていうか、8割くらいの感じで聴いてもらえるアルバムを作りたかったんですよね。KEMURIとかKenさんの作品みたいに、誰かの人生に大きな影響を及ぼすようなものは作れないって自分でわかってるから、ちょっと流すくらいの感覚で聴いてもらえるようなものが作りたくて。それが自分の中でのロックンロールだったりするんですよね。
--実際、車のドライブなんかで聴くのがいちばん気持ちいいアルバムなんじゃないかと思いました。
Minami ホント、それくらいで聴いてもらえると。本来そうなんじゃないの?ってところがあるんですよね。もちろんパンク/ハードコアってなると絶対メッセージ性とかは必要だけど、自分ではこのバンドはパンクだと思ってないし。音楽的にはパンクに影響されてますけどね。世の中に対して言いたいこととかはありますけど、このバンドにそれは必要ないと思っていて。だから、歌詞も全然深いこと言ってないし。



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