


--KEMURIに加入して、音楽/バンド中心の生活になって。それはやっぱり楽しかったですか?
Minami 楽しかったですねえ。アメリカツアーとか、すごい楽しかったし、初めてのレコーディングが海外レコーディングですからね(笑)。
--すげ〜(笑)。プレッシャーとかはなかったですか?
Minami ありましたね、プレッシャーは。それは解散するまで、ずっとありました。やっぱり途中から入ると、前の人と比べられたりとか、漠然とプレッシャーがあって。それは今のKen Bandでもありますよ。サージ、コリンがいた頃のKen Bandに負けてらんないっていうか、そういうのは常に持ってます。
--なるほど。じゃあ、KEMURIとして実戦を重ねて、その中でギタリストとしてのスタイルも作っていったと。
Minami そうですね。
--KEMURIをやりながら、自分がリーダーシップをとるバンドがやりたいって気持ちはなかったんですか?
Minami それはありましたよ。遊びでやったりしてましたし。今のemberのベースのTsuyoshiと、Ken Bandのドラムのまっちゃんと、元POTSHOTのチャッキーとSATOSHIとBRAVO★BROTHERSっていうのやったり。完全に遊びのバンドですけど。本気のバンドをやるには、やっぱり時間がなかったですから。
--KEMURIが終わるってなって、リアルに自分のバンドについて考えるようになったと?
Minami そうですね。でも、どっちにしても仕事しながらマイペースにやるバンドだと思ってたから。また音楽中心の生活をするとは思ってなかったですからね。うん、かなり現実的に考えてて、運良くKenさんから話があったから今こうやってやってますけど。
--じゃあ、今の状況っていうのは、天からのギフトっていうか、恵まれたものだと?
Minami もう、完全に。運と、人の繋がりでしかないですよ。まぁあくまできっかけで、始まっちゃえばそんなこと言ってられないし。ちゃんとやることやらないといけないから。曲も、ずーっとアイデアだけは貯めてたんですよ。たぶんアルバム2枚分くらいのサビとかAメロはあって(笑)。それを去年くらいから形作っていったって感じで。
--自分が主導するバンドとして、どんなイメージがありました?
Minami コンセプトは、自分が昔聴いてたアメリカの商業ロックっていうか。ブライアン・アダムスとかブルース・スプリングスティーンとか、ジャーニーとか、「ベスト・ヒット・USA」で流れるような。emberは、それを表現したかったんですよね。ずっとパンクをやってきたから、どうしてもパンクっぽくアレンジされちゃうけど、根っこの部分は自分が昔聴いてたアメリカのロック、ポップスっていうものがやりたくて。で、去年、最初にデモを作ったんですよ。それを「こういう曲、どう思います?」ってKenさんに聴いてもらって。
--それは、自分のバンドとしてやろうと思ってるっていうことで?
Minami そうです、そうです。プロフェッショナルな人に聴いてもらいたくて、聴いてもらったら「すごくいい」って言ってくれて。そこから話がどんどん進んでいって、ピザから出そうってことになっちゃって。こんなオオゴトになるとは思ってなかったんですけどね。もう、会場限定で、白いCDで売ろうかなって思ってたから(笑)。でも、やりたいことがちゃんと伝わったのはうれしかったですね。
--バンドのメンバーはすぐに固まったんですか?
Minami Tsuyoshiは当初から誘ってて。ドラムは、本当はまっちゃんを誘おうと思ってたんだけど、Ken Bandの方に誘っちゃったから、ドラマー探しはちょっと難航して。何人かあわせてけど、なかなか決まらなかったですね。
--Utchieはどういう繋がりで?
Minami Utchieは、KEMURIのライブによく来てくれてたんですよ。なぜかいつもステージ裏にいて(笑)。EGG BRAINにUtchieが入る前から知ってて、ドラマー探しのときに候補にも挙がったんだけど、関西在住だからとりあえずないなと思って。でも、なかなかいい人がいなかったんでダメ元で聞いてみたら、やってくれるっていうんで。「東京まで行きますよ」って言ってくれて、ある程度気の知れた仲間とやりたかったし、その言葉に甘えるしかないなと思って。
--その、emberというバンドを作り上げる過程では、Minamiさん自身は鼻息荒くというか、やはり気合いを入れて動いていった感じですか?
Minami そうですね。自分のバンドっていうこともありますけど、Ken Bandに泥は塗れないっていうか。どうしても“Ken Bandのギター”って見られるので、変なことはできないじゃないですか? それは常に思ってましたね。
Interview by 奥村明裕
vol.02に続く...



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