


--歌謡曲テイストっていうものが自分の中にない?
Minami うん。まったくないですね。
--帰国された直後は、大変だったんじゃないですか? 文化的な差とか、いろいろな違いで。
Minami いや、まぁ小学生だから、すぐに順応しましたけどね。中学生になって、周りも洋楽を聴き始めて。そこで話があってくるっていうか。僕がギターはじめたのも中学2年生の時で。
--それは、どんなきっかけではじめたんですか?
Minami 当時、ハードロックとかメタルがすごい流行ってたんですよ。ヴァン・ヘイレンとか、モトリー・クルーとか、デフ・レパードとか、クワイエット・ライオットとか、あの辺りがヒットして。それで「エレキギターって、かっこいい!」と思って。中学の時の友達のお兄さんがギター持ってて、それをイジりに行ったりしてましたね。それでお年玉を貯めて、初めてギターを買って。
--当時のMinamiさんのギターヒーローって?
Minami やっぱり、当時のメタルの人ですよね。ランディ・ローズとか、エディ・ヴァン・ヘイレンとか、マイケル・シェンカーとか。たぶん僕くらいの年代……今年43になるんですけど、大概ハードロック/ヘヴィメタルは通ってると思いますけど。ギター弾いてる人は特に。
--なるほど。で、中学でコピーバンドを組んで、その後はどんなバンド遍歴で?
Minami 高校生になって、友達にパンクが好きなヤツがいて。そいつの影響でセックス・ピストルズとか聴くようになって。反抗期っていうか、その頃の自分の気持ちとすごい合致しちゃったんでしょうね。日本のインディーズのバンド……ガーゼ、リップクリーム、ラフィンノーズ、ウィラード、それこそJunさん(Jun Gray)がやってたケンジアンドザトリップスとかも聴いてましたけど。
--高校生の頃のパンク・バンドでもギター&ボーカルで?
Minami いや、ギターだけですね。でも、大学生になると違う遊びを覚えちゃうというか。クラブ行ったりとかして、ちょっとバンドから遠ざかってしまって。
--バンドでひと旗あげようとか、そういう気持ちはなかったんですか?
Minami まったくなかったですね。バンドで食っていけるなんて思ってなかったですから。今でも思ってますよ。本当にひと握りのバンドしかそういうことはできないから。あ、そうだ、大学生の頃に下北沢にあったスケボー屋さんに通うようになって。そこでKEMURIのメンバーと知り合って。そこの店長が伊藤ふみおさんと津田さんと知り合いで。まだKEMURIをやる前の話ですけど、そこでまたハードコアとかパンクを聴くようになって。
--音楽寄りの生活になっていって。
Minami うん。でも、大学卒業して、普通に就職したんですよ。5年間、真面目に正社員としてホテルマンやってましたよ。バンドはやってなかったけど、休みとってライブ行ったりとかはしてて。だから、本気でバンドやったのって、KEMURIが初めてなんですよね。KEMURIが売れ出したっていうか、1st出して、アメリカツアーが決まった頃に、ギターの方が抜けることになって。急いで誰か探さなきゃいけなくなって、弾ける弾けない関係なく、たぶん僕がいちばん近くにいたんですよね。そこまで親密ではなかったんですけど、英語がしゃべれて、そこそこギターが弾けるヤツってだけで、とりあえず連れていかれて。
--はははは。人生急展開ですね。
Minami そう。仕事も辞めましたから。ちょうど会社辞めたいなあと思ってたタイミングだったから、それほど躊躇もなく。まぁ1、2年やってダメだったら、また仕事探せばいいやって。



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