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WANIMA 1st EP [Think That...] 2015.08.05 on sale!!

WANIMA 1st EP [Think That...]
WANIMA 1st EP [Think That...] Release: 2015.08.05  / Code: PZCA-72 / Price: 1,200yen(without tax)
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WANIMA [Think That...] Release Interview

  • Interview Vol.01 WANIMAが考える'Think That...'の輝かしい行方
  • Interview Vol.02 果てしなく遠い道の先にある '本物' という名の称号

強いチームって、みんな同じものを見て、行動を共にしているじゃないですか?強い奴らのポイントはそこだと思うんですよね(松本健太)

--「いいから」はエロカッコイイを目指した曲ですが、「TRACE」はまったく対局にあるナンバーですよね。

松本健太(以下、M)そうですね。「TRACE」はWANIMAが考えている大切なことを歌っています。

--「TRACE」のPVを見たのですが、どこかの山の上で撮影していますよね。あれはどこなんですか?

藤原弘樹(以下、F)あれは長野県の白馬ですね。

M 機材やカメラなどを1時間くらいかけて山の頂上まで持っていったんですよ。

F 山の途中まで車で行って、そこからロープウェイで登るんですけど、最後の1時間くらいの道は自分らの足で登らなければいけなかったんです。

M もう道なき道を行くんですよ。藤くんは登る前にカツカレーをたらふく食べて、行くぞと気合いを入れていたんです。

F でも登り始めて10分で全部吐きました(笑)。ただただしんどかったです。

M 雲の上まで行くんですよ。すごい山のてっぺんで撮ったんです。

F 標高が2800mくらいだったよね。

--前作『Can Not Behaved』に収録されていた「1106」のPVに続いて、今回も自然の中で撮ろうと考えていたのですか?

F 監督さんに曲を聴いてもらい、イメージを膨らませてもらった結果、山がいいんじゃないかと。

M 「TRACE」には足跡や痕跡を残す、みたいな意味があるので、一歩一歩という気持ちで。山を登っているときは、これは無理やろうと思っちゃって。でも一歩、一歩やるしかなくて。山頂に到着したときの達成感はすごかったですね。もうアスファルトの上を歩くのが平気ですよ、どれだけでも歩ける気がする。すごかったんです、本当に。

F それを2往復くらいして。

M 睡眠時間もなくて。朝から夜暗くなるまで撮って。また朝日を目指して、夜中に出て。スタッフみんなそんな状況でした。

--たしか「1106」のPV撮影のときも強行軍でしたよね。なぜ毎回そんな苦行みたいな感じに(笑)。

F そこが謎なんですよ(笑)。

--光真さんは山登りは辛くなかったんですか?

西田光真(以下、N)僕は前職が自衛官なので、大丈夫でしたね。途中からドラムセットも持って登っていましたよ。

F 最初は俺が持っていたんですけど、きつすぎて。もう無理だと言ったら、光真がスっと担いでテクテク歩き始めたので。さすがだなと。

N 自衛官のときは山2つとか普通に越えていたので。でも今回、山頂付近は空気が薄かったので頭がおかしくなってきて。

M 幻覚が見えたのか、俺らに敬語を使い始めて(笑)。

F 「景色が綺麗ですね」とか言い出したし(笑)。

--酸素が足りなくなって、おかしくなっちゃった(笑)。それと頂上に着いてから何テークも撮るって、かなりきつかったでしょう?

M 何十回も撮りましたけど、その間もスタッフさんが荷物を運んでいたり、水を持ってきてくれたりしていたので。それを考えると中途半端に気を抜けないな、というのはありましたね。チームとしてみんなでやっているので。

F 全部で20人くらいいましたから。

M 精神的にも肉体的にもいろいろと思い知らされましたね。

F そういうのを踏まえて、もう一度PVを見てもらえば、感想が変わると思います。

M PVを見てくれた人たちが、コメント欄にいろいろな思いを書いてくれていて。自分の中に残っている人、大切だった人、家族や会いたいけど会えない人とか、そういうことを思っている人に響くと思います。

--歌詞に"あなたがくれた(あの言葉が)いつだって背中を押して"とありますが、今までもらった言葉でずっと背中を押してくれている言葉ってありますか?

M LEFLAHのディレクターにコザキさんという方がいるんですけど、その人が俺らのことをいろいろと指導してくださっているんです。その人の言葉は、常に背中を押してくれていますね。

N 僕もコザキさんの言葉はずっと心に残っていますね。僕らのことを一番に考えてくれている人なので。

--コザキさんとは長い付き合いなのですか?

M 俺らが東京に出てきてからずっと面倒をみてくれていて。もう東京のお父さん的存在ですね。

F ライヴハウスでお客さんがまだ少なかった時期からずっと見てくれている方なので。自分が迷っているときに、それを見透かしているかのように言葉をかけてくれるので。お前、今、迷っているんだろうって。

M そういう預言者みたいな人がいるんですよ。俺らにしたら河童や幽霊とかと同じような存在です(笑)。他にもライヴに来てくれるお客さんだったり、毎回、全国いろいろな場所から来てくれる人だったり、ちょっとしか会えないのに、そのときに言ってくれる言葉だったり。ツイッターに書き込まれたものや街で声をかけられたこととか、言われた言葉というのはすごく影響がありますね。俺らのことを信じてくれてありがとう、でも俺たちはまだまだこんなものじゃないぞと。もっとエロい歌を書くぞと(笑)。

F そこ重要なんだ(笑)。

--(笑)。そして今作のサウンド面でここは聴きどころだ、というのはどこですか?

M 分かりやすく、というところじゃないですかね。ギターソロもすごく耳に残るし。最初は難しくしようかなと思っていたんですけど、それよりも分かりやすくを目指しました。すごく3人で出している感はありますね。

N ギターフレーズでもWANIMAの持ち味であるメロディを邪魔しない、それを活かすことを心掛けていますね。「いいから」と「TRACE」のイントロは耳に残るように、というのをみんな意識して作りました。

--ドラムでこだわったところは?

F ドラムもメロディの邪魔をしない、というのは作るときから必ず考えていることですね。今回のレコーディングで、ドラムテックとしてBACK DROP BOMBの有松益男さんに入ってもらって。コードに合わせてチューニングしてもらったので、1曲、1曲でスネアの音が違うんです。

--それは以前から誰かにお願いしたいな、と思っていたのですか?

F そうですね。プロの人はどういう仕事をするんだろう、というのを見てみたかったし。

--実際に入ってもらってどうでした?

F すごかったですよ。コードがFだったらこの音だ、みたいに音階を取るので。それでチューニングする。今までにないチューニングでしたね。

--今回、経験したから自分でもできそう?

F いや、しばらくは無理ですね(笑)。答えがないものなので、今後自分なりの答えを見つけていけたらなと思います。

--そしてベースは?

M 最近、ライヴでベースをちゃんと弾くようになったんですよ。以前はほとんど弾いていなかったので。まわりに褒められますよ、ベース弾くようになったねって(笑)。個人練習にも入るようになったし。

--それは何かきっかけがあったのですか?

M ちょっと前にポール・マッカートニーが来日したじゃないですか?その映像を見たら、歌いながらすごく上手だったので。カッコイイなと。

--きっかけはまさかの超大物(笑)。

M あんなおじさんでもカッコよくやっているから、俺みたいな27歳の小僧がベースを弾かないで歌うなんて生意気だなと思って。あまり弾いていなかったのは、お客さんに手振りで伝えたい、というのがあって。それが出ちゃっていたんですね。でもこれを機会にベースで伝える、という境地へ行っちゃおうかなと。

--ベースに集中しすぎて、歌が疎かになっちゃうかも(笑)。

M それはあるかもしれませんね(笑)。

--でも本気でやっていれば上達すると思いますし、たくさんの人に見られるようになった、という意識の変化もあるんでしょうね。

M そうですね。ライヴ会場の後ろのほうまで響くように、ベース音を出さなければと思うので。責任感が生まれたんでしょうね。大人の階段を着実に上っていますよ(笑)。

--その証明が今作ですが、どのようにリスナーに届いてほしいですか?

M 4曲しかないんですけど、エッチな曲から真面目な曲まで、始めから終わりまで、何度も通して聴けるので。前作もヘビーローテーションできたけど、今作もできるのでガンガン聴いてほしいです。

--それと1stフルアルバムの予定が気になるところです。

M まだ未定ですけど、曲はいっぱい作っていますよ。新曲でもワンチャンを狙う、という。ずっとワンチャンでしたね、休む暇なく。でもなんか追われている感を出したくなかったんですよ。音楽をやりたくて、東京に出てきたので。曲を作って、歌詞を生み出す、という苦しみはあるんですけど、出たときの達成感が半端なくて。今後も曲はいっぱい作っていきたいですね。

--曲がいっぱいできる、ということはバンド活動が好調であることの証ですよ。SNSに載せている写真なんかを見ると、現状がすごく充実しているんだなと感じますし。

M そうですね。常に同じものを見ようと心掛けているので。飯を一緒に食うときもそうで。若干、藤くんが飯を食ったあとに一人で出たり、単独行動をしていたんですけど、最近、注意するようになったんです。

F ちょこちょこ怒られていたので。すみませんって(笑)。だから最近は3人で行動しますね。

M 競技でもなんでもそうですけど、強いチームって、みんな同じものを見て、行動を共にしているじゃないですか?強い奴らのポイントはそこだと思うんですよね。俺が好きなバンドの行動を見ていても、みんなそうだったので。10-FEETやマキシマム ザ ホルモンもそうですし。

--今はほとんど一緒にいる?

M まあ、ライヴがあるときには。光真と俺は保育園からずっと一緒なので、一緒にいることが嫌なんですけど。

N まったく同感です(笑)。

F (笑)。

--なんか照れくさい、という感情なんでしょうか?

M 照れくさいというか、逆ですね。もうどうでもいい、という(笑)。意識するとイライラするんですけど、どうでもいいなと。でもWANIMAとして闘う以上、必要な存在なので、うまく利用しなくてはいけない(笑)。その中和剤が藤くんなので。いいバランスですよ。

--一つのチームとして着実に強くなってきていると。

M そうですね。あとレーベルの社長である横山健さんのたまに言う言葉に勇気付けられたり。俺たち、ちょっとはシーンを驚かせる存在になれるんじゃないかなとワクワクしています。

--健さんからバンドとしての心得みたいなものを教わっているのですか?

M あの人は背中で語りますから。

F たまに教えてくれますけどね。事務所とかでみんなで話したりするので。

M やっぱりシーンにずっと残っているのは、本物の人たちばかりなので。何が本物か、というのを目でも耳でもお客さんに分かってほしいので。それは責任をしっかり持ってやらないと。お前、インタビューで偉そうなことを言っていたけど、結局偽物やんって言われたら嫌なので。

--今は本物になるための途上なんですね。山で例えると何合目くらい?

M まだ全然ですよ!

F まだ入り口くらい、もしくは家の玄関を出たばっかりです(笑)。

M 俺たちはもっとやれると思っているので、現状に全然満足していないです。健さんとか人間としての深みが全然違うので。あの人、どれだけコクあるねん、みたいな。

F どんだけ出汁出るのって。

M どんだけ出汁出すの!兄さん!みたいな(笑)。光真は健さんから盗めるものは盗もうと、いろいろ計画を立てているので。

N ギターについていろいろと指導してもらっています。

M 健さんがギターを触っている時間が半端ないですもの。ずっと弾いているんですよ。ああいう人を見ると、本当に好きなんだなと。

N 見習うべきところがいっぱいありますね。

M これからの光真のギタープレイに注目ですよ。

--そのギタープレイを直に見ることができるライヴですが、この夏はフェスへの出演が目白押しですね。

M フェスは10本近く出演しますね。期待をいい意味で裏切って、台風の目になってやろうと。この夏は蝉よりうるさく鳴いてやろうと思っていますよ!

INTERVIEW BY 中沢純