![KUZIRA 3rd ALBUM [Smoke Life Away]](./assets/img/release-jkt.png)
SUMMER OF DEATH 2025

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キャンペーン実施期間
2025年5月30日(金)22:00〜8月31日(日)23:59 まで
※特典はなくなり次第終了いたします。
キャンペーン実施店舗
・タワーレコードオンライン
・Amazon.co.jp
※キャンペーン特典対象商品であることをお確かめのうえ、ご購入ください。
- Schedule -
CD封入先行
スタンディング: 前売 3,900円
受付期間:7.23(水) 10:00 〜 8.11(月) 23:59
※税込・整理番号付・別途入場時ドリンク代必要
※年齢制限:未就学児入場不可 / 小学生以上チケット必要
Interview Vol.01
―― 待望となる新作『Smoke Life Away』が完成しました。昨年2月に『Wasted Time』、今年1月に『Lunch Box』というシングルは発表したものの、フルアルバムとしては3年ぶり。この3年という長さはどう振り返りますか?
末武竜之介(Vo/G) いいモノができたらだそう、みたいな風にやってたんで、時間がかかったのかもしれないですね。
―― じゃあ、フルアルバム自体はずっと作りたいと考えていたという。
末武 ですね。フルがいちばんカッコいいと思ってるんで(笑)。
熊野和也(Ba/Vo) あと、(ライヴを)誘われることが多くなったから、というのもあるかな。それでスケジュールも埋まっていくし。
シャー:D(Dr) 加えて、これまでに出した曲をライヴでちゃんと育てよう、みたいなフェーズだった気もしますね。
―― 実際、2ndフルアルバム『Pacific』は1年のスパンで発表しましたし、その曲たちもより自分たちのモノのして、お客さんにもしっかり届けたい、みたいな。
熊野 とは言え、曲をじっくり作ってたとかなとは思います。
―― そうなると、末武さんはずっと制作を続けていたような。
末武 夢の中でも作ってましたね、この3年間は。
―― 3年となれば、今のシーンの流れからすると結構長い期間だとは思いつつ、KUZIRAが足踏みしていたような印象はないんですよ。それこそ、ライヴも観るたびにたくましさが増してると感じてますし。
シャー:D ショートツアーとか、結構やったりもしてて。自分ら発信でライヴを強くする、みたいな意識はめっちゃあったと思います。
熊野 たしかにそうだった。
―― それと末武さんがより堂々とした佇まいになってきたとも思ってて。ライヴのMCだったり、お客さんに言葉を投げかけるのは熊野さんが担ってる部分も大きいじゃないですか。
末武 それはめちゃめちゃありますね。
―― でも、あるときを境に末武さんの同じようなバランスで前へ出てきてるなと感じたもして。
末武 へぇ〜。
熊野 たしかに大きい舞台になればなるほど、竜(末武)のスイッチが深めに入るというか。言ったら、生意気な発言とかしたりするんですけど、それにオレとシャー:Dくんがアガって「行け!行け!」みたくなる瞬間がフェスとかだと結構ありますね。
―― 末武さんとしては自然と深くスイッチが入るようになってきた?
末武 そうなんですかね……憶えてないっすね(笑)。
熊野 アーティストぶるなよ(笑)。
一同 ハハハハ(笑)。
末武 でも、どうなんだろう? あんま、わかんないっすね、自分のことだと。
熊野 ただ、やってやるぞ、みたいな気持ちは前よりも強くなったんじゃないかな。そこも感じてますね。
―― ここ数年だと、Ken Bandのツアーに同行することも多かったじゃないですか。そこでいろんな刺激や影響を食らったのかなとも想像してて。
末武 デカいっす。
熊野 めちゃくちゃデカいっすね。
末武 健さん、「お客さんはバカじゃないから。すぐバレるから」ってよく言ってて。だから、ステージ上ではウソをつきたくないな、という意識も強くなりましたね。
熊野 その話、オレもすげえ憶えてて。健さんのMCはオレも腑に落ちることが多いんですけど、最初は文才があるからなのかな、って思ってたんです。で、「言語化する力があるから伝わるんですよね」って健さんに話したら「バカだな。本気で言ってることはどんなに言葉が拙くても伝わんだよ」って。
―― 言葉選びも大事なんでしょうけど、やっぱり必要なのは本気ですよね。
シャー:D あと、(Ken Bandは)お客さんを置いてかないですよね。伝わりきってないな、というときはちゃんとMCをしてコミュニケーションを取るし。そういうのも観てて凄いなと思ってました。
―― Ken Bandのツアーは学びが多かったような。
熊野 多かったですね。
末武 学びばっかでしたよ。
熊野 そう言えば、この前、「Stickin' In My Eye」のときにJunさんがベースのイントロを弾いてる横で健さんがタバコ吸ってて。その後、そのタバコを灰皿に置いて演奏するんですけど、まだ煙が出てるのがめちゃめちゃカッコよくて。
末武 映画みたいだったね。
―― タバコで思い出しましたけど、健さんと話したいからめっちゃ喫煙所についていった、みたいな話もありましたよね。
熊野 オレですね。30歳から(タバコを)始めました(笑)。
―― でも、それぐらい触れたい、という。
熊野 そうっすね。麻雀は憶える気になれなかったんですけど(笑)。
―― アプリから始めましょうよ(笑)。
熊野 そう言われるんですけど、なかなかひとりではやれないですね(笑)。
―― そういった気づきをくれた健さんが新作のプロデュースをすることになったわけですけど、そもそもどういった経緯があったんですか?
熊野 元を正すと、(HEY-SMITHの)猪狩さんに頼んでみようか、という話がまずあったんですよ。
末武 そういうことを昨年の夏、Ken Bandのツアーへ同行したとき、健さんに相談してたら……
熊野 「オレならタダだよ。実績もあるし」って言ってくれて(笑)。
―― ハハハハ(笑)。言ってしまえば、猪狩さんは外部の人間で、ちゃんとプロデュース業も仕事としてされてて。健さんは内部の人間で融通が利くところもあるでしょうけど、らしい言い回しですね(笑)。
末武 実は猪狩さんにもお試しみたいな感じで1曲やってもらってるんですよ、2曲目の「Pizza Rocket」。
熊野 落ちサビみたいなところで「ベースの和音にした方がいいんじゃない?」とかは猪狩さんが言ってくれたことで。
―― ただ、健さんって頻繁にプロデュースをしてるわけでもないですよね。
末武 そうですね。DRADNATSぶりかな?
―― 健さんにお願いしたい、という気持ちもあったんですか?
熊野 いや、想像もしてなかったです。だから、「そんな手があるのか!?」みたいな。
シャー:D そんな風に言ってくれるとも思ってなかったですね。
―― 実際にプロデュースしてもらうことが決まったとき、嬉しさもありつつ、プレッシャーもあったんじゃないかと思ってて。それ相応のいいモノを提示しないとガッカリされちゃうんじゃないか、みたいな。
熊野 竜はあった?
末武 そんなになかったですね。
―― 自分たちがいいと思ってるモノを一緒に作っていければ、みたいな。
末武 そうでしたね。
―― プロデュースが決まった時点だと、新曲はどれぐらいあったんですか?
シャー:D 4、5曲はあったような。
末武 完成してたのはそれぐらいだったかな。ネタ自体はいっぱいありましたけど。
―― バンドによってプロデューサーとの関わり方って様々じゃないですか。制作はどういった流れで進んでいきました?
末武 完成した曲を聴いてもらって、アドバイスをもらって、を繰り返してましたね。
―― まずは3人でアレンジをして、という、
熊野 さっきもお話しましたけど、3年もあった分、曲を練る時間もあったし。
末武 めちゃくちゃやって、悩んでましたね。
熊野 だから、わりと完成したモノを聴いてもらってて。ただ、「21 Buck」なんかは凄く気に入ってくれて、アレンジをたくさん手伝ってもらいました。それで(雰囲気も)ガラッと変わったっす。
―― 曲を健さんに聴いてもらった結果、ボツになったりすることも?
末武 いや、「あんまり手を加えるところがねえな」ぐらいのことも多かったんですよ。オレららしさを尊重してくれたというか。
熊野 たぶん、健さんとしては「こうした方がいいんじゃねえかな?」みたいなこともたくさんあったと思うんです。でも、「これがKUZIRAなんだよな」みたく言ってくれて。
末武 例えば、「Lunch Box」とかは「短くね?」って言われたりもして。
―― 1分半ぐらいのショートチューンですよね。
末武 でも、「これがKUZIRAであって、KUZIRAのやりたいこともわかるからそのままでいこう」って。ホントにオレたちの視点を尊重してくれましたね。
―― じゃあ、関わり方としては引っ張ってもらうというより、支えてもらったような。
熊野 そうっすね。背中を押してくれるような感じだったかもしれないです。
―― そういう意味では自分たちの長所をさらに伸ばせた、みたいな感覚を手にしたようにも思います。
熊野 竜とかは嬉しかったんじゃない?
末武 すげえ嬉しかった記憶がある。
熊野 健さんってバンドをやってる人に対してしっかりリスペクトを持ってるということはわかりつつ、それにしても「このままでいいんだ?」ってことも多くて。もちろん、コードや音に関して「こっちの方がいいんじゃない?」とアドバイスしてくれて、それがバッチリと合うこともあったんですけど、基本的には全肯定というか。僕らの長所を伸ばしてくれたという感覚ががありますね。
―― 制作を振り返ってみて、停滞期みたいなときもありましたか?
シャー:D あったんじゃないかな……自分らでやってる段階のときでしたけど、作ってみたものの「やっぱ、何かちげえな」みたいなのは何回もあった気がするし。これでいいっしょ、ってなったのに、次の日にはしっくりこない、みたいな(笑)。
熊野 それはめちゃめちゃあった。
末武 めちゃくちゃやったもんね、この3年の間。
熊野 だから、「また、この曲のアレンジか……」みたいなときもあったし(笑)。
―― 1曲に対して、何パターンも試していくような。
シャー:D そうですね。めっちゃ前に出来上がったはずの曲をその1年後にアレンジし直す、みたいなこともあったと思います。
熊野 で、「ここは最初の方が良かったよね」っていうことにもなったり。KUZIRAは竜が家で作ってきてくれたモノに対して、スタジオでオレとシャー:Dくんが新しいアイデアを足すみたいな流れで作ってくんですけど、そのときに「ここ、どうしようか?」って10分ぐらいみんな黙っちゃうときもありましたからね(笑)。
シャー:D 選択肢をいっぱい増やして、そこからまた分岐させて、その中でずっと迷ってるような。
―― 試行錯誤を繰り返しながら制作をしていき、健さんからアドバイスも貰う中でこれはいいんじゃないか、と手応えを感じた曲はどのあたりになりますか?
熊野 シングルとして出した曲はそういう感覚があったかも。
シャー:D その中でも「21 Buck」がいちばんあったんじゃないかと思います。
―― 改めてMVも公開されましたけど、これはガラッと雰囲気が変わったという話でしたよね。
シャー:D 1番と2番が入れ替わったりしてて。
末武 「リフでこの音を使ってるから、このコードを入れた方が良い」とか言ってもらいましたね。
熊野 あと、個人的には「Wasted Time」もいい手応えがあって。ゲリラ的にリリースしたんですけど。
―― ライヴで告知して、いきなりリリースって流れでした。
熊野 そうです、そうです。急に物販に置いてある、みたいな。この曲を初めてやったのがその告知をした名古屋DIAMOND HALLのアンコールだったんですけど、初披露なのにお客さんのボルテージが凄く高まって、グッチャグチャになったんですよ。オレら、新曲があんまり盛り上がらなかったりもするんですけど。
―― 近年、どのバンドもそういう傾向があったりしますよね。
熊野 だから、久々の感覚だったというか、初披露であんな風になるのが。
シャー:D ホントにそんな感じでしたよ。
熊野 オレが憶えてる中だと、2018年に『Deep Down』ってアルバムを出してて、その1曲目の「In The Deep」はサーキットイベントかなんかでやった初披露からすげえ盛り上がってたんですけど、それ以来かも、っていう。(「Wasted Time」の)ベースと歌になって速くなったところからグワーッと(お客さんが)なって。
シャー:D なってた、なってた。
熊野 作ってる段階から、わかりやすく提示できるような曲になればいいな、と思ってたんで、それがしっかりできたんですよね、「Wasted Time」は。
interview by ヤコウリュウジ
Vol.02へ続く...