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Bands

F.I.B

F.I.B

中途 (Vo)
健太 (Dr)
ホワイティ (Ba)
JJ (Gt)
Pelori (Gt)

Who ?

時の流れが速い昨今において、心から”待望の”と言える新作が届いた。F.I.Bが、1stフルアルバム『FIGURE』から約3年半の時を経て完成させた2nd フルアルバム『FIRE CRACKER』だ。

2002年に京都で結成されたF.I.B。現在のメンバーは中途(Vo)、健太(Dr)、ホワイティ(Ba)、JJ (Gt)、Pelori (Gt)である。
結成以来、地道に活動してきた彼らだが、転機は2006年に訪れた。PIZZA OF DEATHからリリースされたオムニバス『The Very Best Of PIZZA OF DEATH』に大抜擢され、『Are You Standing On?』が収録されたのだ。名と音は一気に広まり、その勢いのまま2007年にはPIZZA OF DEATHよりミニアルバム『FILL IN THE BLANKS』を、2009年には『FIGURE』をリリースした。

そこから、現在に至るまで、決して短くはなかった。もちろん、RUSH BALL’09、京都大作戦2011、COMIN’KOBE、BAYSIDE CRASHといった イベント出演をはじめとして、ライヴは絶え間なく行ってきた。リリースまでに時間が掛かった理由としては、一曲一曲の完成度と、アルバム としての完成度を、愚直なまでに追求した結果なのではないだろうか。
そう思わずにはいられないような一枚に『FIRE CRACKER』は仕上がっている。
勿体ぶるような、興奮を煽るような『intro』から幕を開け、激しいリフと疾走感の『Cast O? Your Tinsel Lie』で、ブランクを一瞬にして忘れてしまうほど濃厚なF.I.Bワールドへと連れていく。さらに、開けた風景を見せてくれるキラーチューンの誕生と位置付けて間違いない『Story』が登場!そして、ストロングなコーラスが轟く『Burn Down』、ファスト&ショートな『So We Can Claim』などといった、メロディック・ハードコアの系譜に名を連ねるバンドに相応しい男臭いナンバーあり、かと思えばアイ リッシュな『Answer』という変化球も。ラストは、優しきイントロの『Beginning Sign』、遥かまで広がっていく未来を予感させる『For All Time』で締め括られる。
こうやって、通して聴いてみて思う。ヴァラエティには富んでいるがバラ付きはないということ、さらに、どんなメロディアスな楽曲も密度が高いということ。この二つを成し遂げられているからこそ、彼らのスキルに大いに信頼を寄せたくなるのだと思う。
幅を広げようとして、自分たちの芯が細くなっていき、結果的にはオムニバスのようになってしまっているアルバム。メロディを強調しようとしたあまり、シンプルではな く(サウンド的にもメンタル的にも)薄っぺらく感じられてしまう楽曲。
『FIRE CRACKER』には、そういった不安要素は、全くない。
そして、”暴れられる”とか”歌える”といった、ツールのように扱える音楽ではなく、”突き動かされて、思わず暴れてしまった”とか”ヘッドフォンで聴いていて、つい口ずさんでしまった”みたいに、本当の意味で感情を揺さぶられる音楽しか詰まっていない。
メロコアという言葉が、人によって様々な解釈で受け取られるようになって久しいが、その強く重い価値観を、今一度思い出させてくれるような傑作である。

彼らは、今作がリリースされる今年の9月で、結成10周年を迎える。時は来た。シンデレラ・ボーイズと湛えたくなるほどに、華やかに全国区へ飛び出してから早数年。何にも流されぬほどにガッチリと己を固めて、今こそF.I.Bが走り出す。


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