事故地点に到着すると、事故車は左側に寄せられていた。もう事故処理も済んでいた。車は当然そのまま廃車、移動のための JAF を待っている状態だった。
乗車していたのはギターテクの Tan Shot、サウンドエンジニアの梅木、照明の朝山(女性)、ピザオブデスの Abe Young、ハンドルを握っていたのは OKB の代わりに来ていたローディーのミツルだった。
朝山が耳の後ろを切り病院に運ばれたが、他の4人は無事だった。それぞれに打撲、切り傷、ムチ打ちの気はあるものの、とにかく無事だった。しかし実際に事故車を見てると、「これでよく死者が出なかったもんだ」と思うくらい損傷していた。
事故はタイヤのバーストにより起こった。
まず…事故地点よりも数キロ戻ったところで、右後輪がバーストした。機材車はなんとか次のサービスエリアまで持ちこたえた。自分達でスペアタイヤと交換し再出発した途端、今度は左後輪がバーストして機材車は横転した。
Tan Shot の話によると、横転して半回転した格好、つまり天井を下にした状態で数10メートル滑り、中央分離帯に激突してまた半回転、正常な位置に戻って止まったらしい。エンジンはとまってしまったがかけてみたらまだかかったらしく、なんとか自力で道路脇に寄せたという。
ちょっと後方の中央分離帯に目をやると、付きたてほやほやの生々しい「激突痕」が残っていた。そして道路上には車体が飛び散った破片、様々な液体がおびただしく広がっていた。
事故車は…フロントとリアのガラスは全て割れて、車体、特に Tan Shot が乗っていた助手席の上は大きくつぶれていた。天井は逆さになった時に擦ったらしく、数箇所に穴が開いていた。
車が一回転して止まった時、Abe Young のヒザの上には、足元に置いてあったはずのハードケースに入ったアンプのヘッドが乗っかっていたらしい。つまり、かなり重量のあるアンプが宙に浮いたのだ。これが何かの拍子で誰かの頭にでも当たっていたらと…考えるだけでも怖い。
病院に搬送された朝山以外の4人、特にツアー経験豊富で年長者でもある Tan Shot と梅木は心配をかけまいとして明るく振る舞っていた。Tan Shot は車が一回転したコトを「クルリンパ、したよ。もうなんも怖くねぇ。」と自虐的に言った。
事故直後の車内で全員の無事を確認した梅木は開口一番「よし、今日の博多でのライブ、やるぞ!」と言ったらしい。
JAF が到着して事故車を持って行った。みんなメンバー車に乗り込んで後を追った。近くのインターで高速を降り待機。知らせを受けたイベンターの人達も博多から合流した。
その後事故車が持ち込まれたディーラーの駐車場で、新たに調達したレンタカーに機材を移しながら目視で機材チェック。これも奇跡的なコトに、ほぼ全ての機材が無傷だった(唯一ガンちゃんのキックドラムが破損したが、後日修理可能と判明)。アンプ類なんかは実際に電気を通さないと使えるかどうかはわからないが、とりあえず見た目は全て破損はなかった。病院に搬送された朝山も戻ってきた。耳の後ろを8針縫って若干の打撲とムチ打ちがあり痛々しかったが、すぐに仕事はやるという。
6月13日、渋谷の O‐East で行われた「The Very Best Of Pizza Of Death U」の発売記念ライブに Ken Band も出たのだが、ドラムのガンちゃんがその日のステージ上で突如脱退した。
その場にいた謎のマスクマン「イシダーマン」がそのまま Ken Band に電撃加入した。