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BBQ CHICKENS [Broken Bubbles] リリース記念 25000字インタビュー Part.02

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--あと、今回はアルバムのブックレットに曲の解説が付いてますけど、付けようと思ったのはなんでですか?

K なんでだろうなぁ?なんで書き始めたんだろう?そうだ、まずブックレットのレイアウトのことを考えたんだ。いつもだったら全曲英語詩だから、日本語の対訳を別の紙に載せてたんだけど、今回はそれをなしにして、対訳も全部ブックレットに入れようってことにして。そしたら、そこに何か書きたくなって。で、書き始めたらものすごい量になって(笑)。

H デザインしてて、「歌詞を読ませたいのかな?」って思いましたけど。

K ハンパねぇ。その読みヤバい。

一同 (笑)

K 1曲1曲にこんだけの気持ちがあるんだよっていうのはアティチュードとしては見せたかったね、内容はさておき。

--今まではそういう気持ちにはならなかったってことですか?それとも、今回初めて閃いたってことですか?

K 今回初めて閃いた。あと、パッケージっていうモノについても思うことあるし。買った人だけが読める何かがあればいいなって。それを思いついた後にホルモンがあのでっかいブックレットを付けてきたから、これ、ホルモンのパクりじゃないですよってことを言っときたい(笑)。まぁ、あそこまで気合いも入ってないしね。でも、嬉しいと思うんだよな、読んだ人は。BBQ CHICKENSってバンドの世界観を知れるし。

--じゃあ、BBQってものをもっと理解してもらいたいって気持ちが強くなってるんですか?

K うん、そうかもね。

--てことは、今後の活動もなんとなく浮かんでる?

K まぁ、浮かんでるんだけど、長い活動停止しか浮かんでないな(笑)。「何が面白いって活動停止だろう」みたいな(笑)。長く続けるだけがバンドじゃないですよっていうことを俺は知っている。

一同 (爆笑)

H 重い。

--説得力がある。いやあ、今回のアルバムを聴いてるうちに、またカバーアルバムを作って欲しいなって思ったんですよね。この路線なら前とはまた違う方向性のカバーが生まれるんじゃないのかなと。

K でも、カバーはライヴで演らなくなんのよ。

--ふーん、なんでですか?

K なんでだろうね。やっぱ、オリジナルの方がかっこいいからじゃない?

一同 (爆笑) (↗)

K 演っててみっともない曲しかやらなくなる。「I Want It That Way」は演るよね。あれはダイスケの一番の見せ場だから。あとはたまにサバスのカバーするぐらいかな。

--じゃあ、ライヴについて聞きたいんですけど、なんでイソはあんなにお客さんからイジられるようになってるの?

I たぶんね、それはホンゴリアンのせいだと思う。

H なんでだよ!

I ホンゴリアンが大阪で一度だけソロアーティストとしてライヴやったんですよ。うち(PIZZA OF DEATH)の企画で、レイザーズにバックの演奏やってもらって。その時にものすごくお客さんからイジられて。

K なんて言われたんだっけ?

I 「ちゃんとやれや!」とか異常なイジられ方。それ以来そういう文化が生まれてしまって、そのとばっちりを俺が受けてるっていう。

H そうかもそうかも。

K イソがステージ上でね、「おまえら、ホンゴリアンのことイジれよ!」って言い始めたのね。そしたら、自分がヤジられるみたいな(笑)。「おまえが言ってんじゃねーよ!」みたいな。俺とかアンドリューは何喋ってもヤジられないけど、イソは来るね(笑)。

--そう、ホンゴリアンがあんまりヤジられなくなってるような。

H 言われてるよ!

I 西に行くとホンゴリアンすごいの。ケチョンケチョン。

--なんて言われるの?

I 「デザインだけやってろ!」とか。

一同 (笑)

K 「デザインだけやってろ」とかキツいよね(笑)。

--あと、なんでいつの間にか横山さんじゃなくてアンドリューがメインでMCをやるようになってるのか。

A まぁ、俺、面白いから。

一同 (爆笑)

K いや、アンドリューはあの話を忘れてんだよ。……俺がMCしちゃうと、Ken Bandと同じになっちゃうのよ。だから、『Crossover』のツアー前に「アンドリュー、MCやってよ。ちゃんとマイク立ててさぁ。進行とか全部、アンドリューがやって」って言ったら、「出来るかなぁ……?」って言うわけ。すごい不安がってるわけ。「まぁ、とりあえず…やってみます……」みたいな。そしたら、最初のライヴから立ち上がってMCやってんの!

一同 (爆笑)

K そんで更には、次のライヴからはマイクが2本になって。座って喋る用と立って喋る用と。

一同 (爆笑)

--いざやってみたら気持ちよかったの?

A 気持ちよかった。

I アンドリューから「出来ない」って言葉は聞いたことがないからね。

K 「大至急」しか言わない(笑)。だから、あれは一瞬見せた弱気だったんだよ(笑)。

--そっか、アンドリューのMCはそういうことだったのか。

K そう。そしたら俺もやりやすくなって。基本的に喋んなくていいしさぁ、喋りたくなったら喋りゃいいし。ラクでラクで……ラクって言ったら変だけど、楽しくてしょうがない。

--Ken BandでのMCが自由になりすぎたってことなんですね。

K そうそうそう。ちょうど2年前の『Crossover』の頃は下ネタが一番バンバンで、人前に出てみんなに嫌がられたくてしょうがない時期だったのね(笑)。だから、それをKen Bandでやっちゃうと、“BBQ CHICKENSじゃなくてもこの雰囲気出るじゃん”みたいなことになっちゃう。それで、「どうしようかな?」って考えた末に、アンドリューに任せようと。そしたら、水をあげてないのに開花しちゃった(笑)。

一同 (爆笑)

H ヤバい。

--あと、今回一番聞きたかったのは、なんでアー写にDJせんじがらさんが写ってるのかってことなんだけど。

I 最近、俺らがDJせんじがらさんの操り人形化してるっていう(笑)。

K そう、だからけっこう面倒くさいのよ。作品はメンバーだけで作りますよ?でも、それ以外のことは全部あのマネージャーの許可がないと出来ないんだから!

--マジっすか!

H 「お母さん、これやっていい?」みたいな。

K 「ダメ!」とか。

I 「それ違う」っつって。「安い」とか「BBQの面白さはそういうんじゃない」とか。

--へぇ~、もう完全にマネージャーだ。

K 完全にマルコム(・マクラーレン)ですよ、あれは。

一同 (爆笑)

K でね、ツアーもね、現状ね、対バンがひとつも決まってないのよ。

--マジっすか!? (↗)

K 俺もね、アイデア出すの。で、それをイソにぶつけるんだよ。たとえば、「こういうパフォーマンスグループとやろうよ」とか「フラダンスのチーム呼んでよ」とか、自分なりに面白そうなことぶつけるとするでしょ?それで、イソが「分かりました!持ち帰って話してみます」っつって、返ってくる答えが「それじゃない」みたいな(笑)。

一同 (爆笑)

K 「分かった!じゃあ、もう俺の意見は言わねぇよっ!」ってなって、未だに何も決まってない状態。

--すごい。まだ対バンが決まってないのか。

K 俺はもうなんでもいいよー。

I アイデアはありますよ!対バンじゃないですけどね。

--バンドじゃないんだ?

I 対バンっていうか、共演者?

K とりあえずもうめちゃくちゃですよ。

H 面白くないとやんない、みたいな。

--結果、それで自分たちのクビ絞めてるんでしょ?

I “焼肉のまるしま”っていうのは共演者としてあるかもしれないですよ?あと、名前が上がってるのが、宮古のダンサーとか。

K 俺はこういう話を今初めて聞くのよ!「なんなの?」って感じ。悲惨だよー。個人的に悲惨!

一同 (笑)

--でも、チケットは?

K 絶対売るでしょ!逆にここまで言っちゃったんだから、人の興味を惹かないと!「これは面白そうだ」って思ってもらわないとアウトだよ。

--そういうところに関して、アンドリューは何も言わないの?

A んー、意見しなくもないですけどね。基本的に俺が意見してもマネージャーにノーって言われるんで。

一同 (笑)

K 俺と立場は一緒。

I 割とね、やりたがってくれてる人は多いんですよ。

A 俺ら世代の元気いいバンドは「やりたい!やりたい!」ってすごい言ってくるから、一応、「グッフォー(GOOD 4 NOTHING)とか、ダスト(dustbox)とか、どうすかねぇ…?」って言うと、「ないな」みたいな(笑)。

--すごいなぁ!いつの間にそんな巨大な権力を。

I まぁ、愛ですね、愛。だから、アー写にも写ってるっていう。

--DJせんじがらさん、そういう露出は嫌がりそうなのに。

I でも、顔は隠れてるし。

K あと、写真が他になかったっていうのもあるよね。

H ぶっちゃけ、そうかもしれない。

--あ、これってアー写のつもりで撮ったやつじゃないんだ!?

I 去年の暴年会の楽屋ですよ。

K ただの記念写真よ。

--もう、BBQについては“狙ってやってる”とか考えない方がいいんだな……。

K それはダイシが一番分かってるところじゃん! (↗)

--いや、だって「変わったのかな?」って思うじゃないですか、『Crossover』を出した時点で。

K 変わってないです、あたしたち(笑)。

I 変わったような印象受けてました?

--うん、モロ。

K スパンを空けずにアルバムを出すっていうので、力が入ってるんじゃないかとは思われるかもしれないけど……。たしかにアルバムは一生懸命作ったよ?でも、そこから先は俺には分からんね。

--へぇ~。「本腰入れてやるのかな?」ぐらいな印象でしたけどね。

I 何をもって本腰とするかですよね(笑)。

--「ちゃんと売るぞ!」みたいな。

I あ~、それはピザオブデスさんのことであってね。

K まぁ、でもね、売れないよ、CDは。だから、そんなに売ることは考えてない。最低限、「これぐらいは売れないと困るなぁ」ってのはあるけど、やっぱ、売れるとは思ってない。

--でも、ハイスタのDVDと発売タイミングをひと月だけズラして、店頭で上手く展開されるように狙ってきてるじゃないですか。

K 前回もAIR JAMとぶち当たったのよ。

--“ぶち当てた”んじゃないですか?

K 当たっちゃったんだって!おまえ、俺のコラム読んでないのか?アンドリューが加入してから、時期をすっげー選んで選んで、少しずつ曲作って、「ここでリリースだ!」っていうタイミングにAIR JAMが当たったのよ!プリプロだって全然先にやってたんだから!AIR JAMのエの字もない時から、「ここでリリースする!」って決めてたのに!今回もそうなのよ。ハイスタのDVD出すことは急遽決まったんだから。出すこと決めないで映像撮ってたからさ。何より、今の世の中、AIR JAMのハイスタを観てBBQ CHICKENSのアルバム買おうなんていう殊勝な人はいないですよ!

一同 (笑)

--そうですよね。やるんだったら、ホルモンとタイミング合わせる方がいいですもんね。

K そうねぇ。でも、売れてほしいなぁ!

--若いコに聴いてもらいたいですよね。ファンもけっこう一回りしてるし。

K そうねぇ。若干カルト化してるよね、BBQ。

--してるんすかねぇ?

K カルトって表現が合ってるのか分からないけど、なんかこう……好きな人は相変わらず異様に好きなのよ。

--新しいファンって増えてる感じします?

K するね。Hi-STANDARD復活!とか、ホルモンがダーン!とキタ!とか、そういうところに入り込めない奴らが来てるのかなって気もするけど(笑)。

--30代とか20代後半の連中にだけ楽しませておくのはもったいないなと思いますもんね。

K そうでしょう?だから、俺は狙ったのさ。「ちんちんぶらぶら」(「Shibuya PM5, Tonight」の一節)って子供でも口ずさめるようにって!

--そういう若いコたちにアピールするためにもプロモーションをしっかりするのかなって思ってたら、全くそんなことないんですね。

K うん。プロモーションってしっかりやるの?

KTR(PIZZAの宣伝担当) いや……。

一同 (爆笑)

K これはオフィシャルインタビューなわけじゃない?インタビュアーは誰が良いかって考えた時に、ダイシが鉄板だと思ったね。

--なんでですか?

K BBQ CHICKENSを一番知ってるはずだから。だから、ダイシが伝えずに誰がBBQの魅力を伝えるのかって話ですよ。

I 責任重大ですよ。

--いや、けっこう取材やるのかな?って思ってたから、そんなに準備してなかった……。やんないのか……。

一同 (笑)

I だから全部引き出してもらわないと困りますよ(笑)。

K そうよ(笑)。

--あ、「Japanese Sunday Evening」の歌詞のイミってなんなんですか? (↗)

K ん?

--韓国語の歌詞の。

K ん?

一同 (笑)

--対訳なかったですけど。

K それについてはあまり話はできないなぁ。

一同 (笑)

--マジすか。なんでですか?これはオフィシャルインタビューなんだからちゃんと伝えないと。

K オフィシャルだからこそ話せないんだよ。

--“オモニ”(=お母さん)しか分からないんですけど。

K “オモニ”だけ伝わってもらえたら。

一同 (笑)

K それについては多くは語れないよ。俺も元気で家族のもとに帰りたいし。

一同 (笑)

--そんな歌詞なの?

I まぁ、捉え方によっては。

--もう全然分かんない、“サザエ”しか。

H もうその辺でいいんじゃない?

一同 (笑)

K まぁ…俺たちは表立っては直接的なことは言わないけど、これでいかに俺たちが日本と韓国の問題にアティチュードを持ってるか分かってもらえるはずだよ。

--これは韓国語が分かる人が聴いたら分かるんですか?

K それは分かんないだろうねぇ。

H 俺が歌ってるから。

--ああ、そうか。

K まぁ、俺たちとしては「ヘイトスピーチ、ファックオフ」って感じよ。

--すっきりしないな~。じゃあ、他の曲の話に。テーマ的に「Right Here, Right Now」ってKen Bandで歌ってもおかしくなさそうな歌詞だと思ったんですけど。

K んー、でもちょっと暴力的だからねぇ。「Broken Bubbles」なんかは「Ken Bandでやってもおかしくないテーマだね」ってミナミちゃんと話はしたなぁ。

--その辺の歌詞のサジ加減って感覚的なものなんですか?

K うん。俺は無神論者だけど、これは神が与えた才能だよね。

一同 (爆笑)

--難しいな、このインタビュー(笑)。

K 全部文字にすりゃいいんだよ(笑)。

H 文字だけじゃ理解できないってことで。

K なにおまえ良いこと言おうとしてんだよ!

--じゃあ、「Dough Song」の“Dough(ドウ)”ってなんですか?

K ピザ屋さんのパンを作る時の生地。

H 最近、顔に貼ってるヤツいたじゃん。

I Twitterで炎上したヤツ。

K あれはBBQ CHICKENSを聴いてやったとしか思えない!

一同 (笑)

K まだ発売前だけど!

--今、あのお店ってどうなってるんですか?

K やってるよ。俺、あのあと注文したもん(笑)。で、あのパン生地を“Dough”っていうのよ。

I すげーリアルな歌詞なんですよ、途中まで(笑)。

K 半分はホントさ。

--300枚も生地を作るんですか?

K 300枚は大げさかもしれないけど、100枚単位はあったよな。

H こんなでっかいブヨブヨのヤツを切るんですよね。で、秤に乗っけて計るっていうのをケンちゃんが毎朝やってて。

--それは、もう感覚で重さが分かるとかのレベルですか?

K 分かるようになったの!それが。すごいぜ。たとえば、Mサイズが1個360gだとするじゃない?ドウも時間が経つと発酵してドンドン膨らんでいくのね。そこで、「今、こんぐらいの大きさに膨らんだっていうことは、あれからこんだけ時間が経ってるから……」って計算して切って、「もう一欠け!」って秤に乗っけると360g!もう才能だと思ったね!あの時の神がかり方はすごかった! (↗)

--歌詞見ると、なんでピザに関する歌詞がこれまでなかったんだろうって思ったんですけど、何かきっかけはあったんですか?

I この曲の仮歌で「ボーウ!」みたいに歌ってて(笑)。

K あそこは、自分のコーラスが「ドウ!」とか「オウ!」みたいに“O(オー)”の音が良いなって話をしてて、そこからそういう歌詞になった。「“お”って何があるっけ?」って話になって、「ドウってヤバくね?」みたいな(笑)。全員ピザ屋で働いてた経験があるからね。

I まぁ、故郷みたいなもんですよね(笑)。

K そう、「ドウ」っていやぁ、俺らの中では「ファックイェー」みたいな。

--仮歌の時点で歌詞のアイデアが降りてくることって多いんですか?

K BBQの場合だけだけどね。「こういう発音おもしれぇなあ」とか。他ではもうちょっと真面目にやってるよ。

一同 (笑)

K 「Dough Song」なんかはその最たるもんで。ドウと言えばピザ屋、ピザ屋といえばアルバイト経験、みたいなさ。で、その時の経験を書こうってなって、そこから自分の中で“ドウマン”と戦ってる俺が出てきて。厨房で2時間とか一人で仕込みやってると、変な脳内麻薬が出てきて、キマっちゃってるみたいな感じになるわけ。それで、「そういえば、こいつらと戦ったらどうなるかとか考えたことあんなぁ」とか思い出して。こないだ、実際に戦っちゃったヤツがTwitterで炎上してたけど、ああいうのはギリギリのラインなのよ。

--じゃあ、わりと彼の心情は理解できる?

K できるね。ちょっと話は違うけど、他所でメシを喰うっていうのはああいうことだと思う。

--どういうことですか?

K 水に鼻クソも入ってりゃ、汚いもんも入ってる。ああやってバカみたいにTwitterに写真を載っけちゃうか載っけちゃわないかの違いで、世の中はそういうもんだと俺は思う。「そりゃ、写真なんか載せちゃったら見つかるに決まってんじゃん、バカだなぁ」って思うけど、俺はそんなの10代の頃から知ってるよ。

一同 (爆笑)

K アルバイトなんてふざけんてナンボ、サボってナンボでさ。普通のミュージシャンはあんな歌詞書いた直後にこんな事件が起きたら「マズい!」って思うかもしれないけど、俺はむしろ美味しいと思うから。何年か先には記憶に補正がかかって、「あの事件にインスパイアされて書いたんだ」って。

一同 (笑)

--では、続いて「Good Night」の歌詞は?

K 「Good Night」は……ちなみに俺、インタビュー中ずっとゲームやってるの知ってる?

--知ってます。ちゃんとゲームは進んでるんですか?

K 進んでる進んでる……「Good Night」は、ブックレットの解説でもちょっと匂わせたけど、俺たちのショートチューンには法則があることに気づいたのさ。「Hungry」、腹減った。「Love Love Love」、愛してる。で、「Sex」でしょ?つまり、夜の流れなわけよ。だから、とりあえず「おやすみ」にしとこうと思って。

I 優しい歌詞ですね、あるイミ。

K なんだそれ!

I 事後にちゃんとおやすみって言ってあげられる優しさみたいなとこありますよね。

K まあ、そういうところあるよね。

一同 (笑)

--これもちゃんとアンドリューに「こんなの出来たんだけど」って聴かせてるんですよね?

K もちろん。アンドリューに「一番得意なフレーズなに?」って聞いたの。そしたら、「ドゥクドゥドゥン!ドゥン!すかねぇ」って言うから、そのまま曲にした。

一同 (爆笑)

--じゃあ、アンドリューのフレーズが先にあったっていうこと?

A そうですねぇ。ただ、“ドゥクドゥドゥン!”にも“たまごどん!”と“ところてん!”の2パターンがあるから。“たまごどん!”だとちょっと低い位置の音になるし、“ところてん!”だとちょっとメロコアっぽい感じになるし、「どっちかなー?」って。

K ドラマーによって色々あるのよ。「ど、て、た、か、し!」とか(笑)。「し!」はハットなわけよ。

一同 (笑)

H ヤバいな、それ。

A だから、ところてんと玉子丼はどっちが好きですか?ってことですよね。

--で、横山さんはどっちを選んだんですか?

K どっちでも良いよね(笑)。

一同 (爆笑) (↗)

--アンドリューはどっちを選んだの?

A ところてん。

一同 (爆笑)

--アンドリュー的にドラムのここを聴いて欲しいとかあるの?

A いやぁ、全部ですけど……。そうだなぁ、俺、14歳でSEPULTURAやSlayerのライブを観に行ってるぐらい、本当にああいう音が好きで。で、今回は当時聴いて興奮したフレーズをそのままCDに出来たから、あの感じをしっかり聴いて欲しいですねぇ。カバー曲もすごい燃える曲だったから。

K そうだね、あの3曲はアンドリューがイキイキしてたねぇ。

I イギリスの血が騒いで(笑)。

A カバーして思ったのが、GBHってフレーズと足(バスドラ)の入れ方がちょっとおかしいんですよ。“普通ならそういう風には入れないだろ”っていう足になってるから、ケンさんに「これってどうすかねぇ?」って聞いたら、「そのまま(原曲のまま)で良い」って。だから、今回は14、15歳の頃に聴いてた音楽の影響をそのままを入れられたかなって。

K その頃の自分と出会っちゃったわけね。

--『Crossover』と比べて出し切った感はある?

A 実は、今回ほとんどクリックを聴きながら録って。基本的にはライヴでできないことはレコーディングでしないって決めてるんですけど、今回はストップ&ゴーとか、キメがある曲が多いっていうのもあって、ちょっとクリック聴いてやらせて欲しい曲があるってみんなに話をしたんですよ。だから、納得いくのが出来たのは今回の方かな。だからといって、ライヴで叩けないとかじゃなくて。クリックにビタビタに合わせてるわけでもないし、ガイド的な感じで聴いただけだから。ちなみに俺、ライヴでは音源よりも故意に速くしてるんですよ。だから、そういうイミではCDとは一緒になんないです。

--意識してスピードを変えるようになったのはなんで?

A そういう音楽を聴いて育っちゃったから。それがかっこいいって俺の中でなっちゃって。音源の2倍ぐらいの速さでライヴやるバンドがいると超興奮するし。

--それじゃあ、レコーディングではライヴで叩いてる自分を想定して録ってるの?

A 抑えてるのかもしれないですねぇ。普通、それをやったら怒られるけど、BBQは怒られないかなって(笑)。

I レコーディング中のアンドリューのすごいところは、アンドリューがクリックに合わせてるんじゃなくて、クリックがアンドリューに合わせてくるっていう現象が起きること(笑)。

一同 (爆笑)

A うんうん。

H 「うんうん」(笑)。

K 「やっべぇ、クリックの方が合ってきた!」

一同 (爆笑)

--その話、伝わるなぁ。

I そういうレベルでやってるから(笑)。

A ライヴの演奏が音源より遅くなるのなんて絶対ありえないですね。それは絶対につまらないし、お客さんはそんなの望んでないし。

INTERVIEW BY 阿刀 “DA” 大志
PHOTO BY Teppei Kishida
Part.03に続く...

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