ちょっとヘビーな話になりすぎたので、最後にハッピーな話を。
ツアー中、楓太は妻と実家に帰っていたのだが、岡山公演の楽屋に登場した。今年8月の
BBQ CHICKENS のライブの時、楓太はステージ脇で観ていたのだが、途中で大泣きしながらステージでオレの足元に駆け寄ってきてしまい、ライブが数分間中断した。…その時の経験を踏まえてのコトなのか、ライブ中ずっと妻と楽屋にいたようだ。
この日のライブは非常に楽しく、アンコールも全て終わりフロアに残る人影も少なくなった頃、オレはアコースティックの曲を演奏しに出た。(ちなみにこういったシークレット・アンコールについては、以前は楽しかったライブで演る、といった方向だったが、最近は違う。非常に楽しくても、お客さんから疲れを感じたり、オレ達が疲れてたりしたら、もちろん演らない。逆にあまり楽しいライブにならなかった時に「もしかしたら、これで自分にとって後味が良くなるかも」と思い演る時もある。)
演奏を始めると、ステージ脇に人影を感じた。妻と楓太だ。思わずそっちを向いて微笑んだ。
この日、楓太は良い子で、大人しく演奏を聴いていた。分からない、もしかしたら妻が必死で抑えてたのかも知れないが…。
何曲か演ったところで、楓太を呼びに行った。そしてそのまま自分の膝の上に座らせ、オレは「Father's
Arms」を演奏した。いつも家でギターを弾くと、弦を触ろうとして邪魔する楓太が、この時ばかりは大人しかった。オレも計算した行動じゃなかったので、演奏しながらもいつ楓太が暴れ始めるか、内心ヒヤヒヤしていた。
自分の手をしゃぶりながら、静かにしてる楓太。演奏し終えて大きな拍手が起こると、楓太も何故か拍手していた。
息子のコトを考えながら書いた歌を、その子を実際に膝に乗せて演奏し、必要としてくれている人達の前で演奏できた…。
人生って不思議だ。たった数年前には想像するコトすら不可能だったコトが、こうして実際に起こり得る。
間違いなくこの時オレは、世界一の幸せ者だった。もしかしたら、オレの生涯のハイライト・シーンだったかもしれない。でもそれでも全然構わない。
あれより幸せなコトなんて、もう想像できない。
2007.11.28
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