『横山健の別に危なくないコラム vol.55』



「Third Time's A Charm ツアー」

 本当に楽しかった。今までのどのツアーももちろん楽しかったけど、今回が一番楽しかった。

 毎晩のライブを「オレ達のライブを観るのが、今日が最後になる人」のために、演った。初めて観る人達に対しても「これで分かってくれないんだったら、もうイイ。」ってくらい、自分を曝け出して、伝えようとした。日によっては、上手く曝け出せない時もあった。お客さんの雰囲気によっても左右された。それでも、出来る範囲で、精一杯やった。

 「Third Time's A Charm」からの楽曲達は、日を追う毎に演奏にまとまりが出てセットに馴染み、ツアー終盤では初日と比べ物にならないほど良くなっていった。このアルバムの曲は、案外ライブ向きなんだな、と気付かされた。ライブでは、アルバムに収録されているものとは別の表情を、曲達は発揮していた様に思う。
 ツアーが進んでいくにつれて、いろんな曲の繋ぎ方のパターンや決め事が出来ていった。毎日セット・リストを考えるのが…最後の方は些か面倒ではあったけど、結局楽しんで毎日決めた。「今日は『Why』から始めようか、『Pressure』からいこうか、…イヤ、随分この街にも来ていないから『Cherry Blossoms』からか…。」、こんな調子でアレコレとトライした。
 京都と神戸でのアコースティック・ショウで自分の新しい可能性を見たのも、大きな財産だ。

 体は酷使した。「この歳になって、こんなにボロボロに疲れて、オレは一体何やってんだ?」って思う夜もあった。しかし一晩寝ると、またやる気になって、次のステージに「今、この瞬間しかねぇ。」って思って、立った。
 「こんなに汗かいて、ヒーヒー言って、…試合じゃあるまいしよぉ。音楽だよなぁ?」と、たまにひねくれた想いがよぎるが、日々が過ぎて行き、このツアーの終わり頃には、「しょうがねぇよ。これがないと生きてらんないんだもんな。」と、今までになく殊勝で素直な自分がいた。

 最終日、横浜ベイ・ホールで言った。「名残惜しくて、ステージを降りたくない。」
 この一言がこのツアーの本音だ。

 オレは人前に出てパフォーマンスするのが、本当に好きなんだ。好きになってしまったんだ。
 このバンドで、時にはアコギで一人で、あの楽曲達を演奏するのが大好きなんだ。

 ベイ・ホールでのライブを終えて家に戻った。久し振りに言い様もない充実感に包まれていた。ライブ会場で支給された、冷め切った「崎陽軒のしゅうまい弁当」をつつきながら、「オレは自分にとって正しい、自分に嘘をついてない道を歩けている」、そんな思いに満ちた。こんな気分を味わったのは、Hawaiian6 の「Souls」のレコーディングを終えた日以来だ。…5年に1度くらいなモンだろうか。それくらい、グッと腹に来た。

 そんなツアーだった。そこで今回お世話になった人達や友達に、限りはあるが、改めてここで感謝の一言を述べたい。

. 黒ちゃん、またオッサントークしよう。もしかしたら次会うときは…オレ四十路来てるかも!
. 大内クン、例の計画は必ず。あなたの様な人が、何かを諦めてしまってる人を奮い立たせるんだ。
. FC Five、楽しかったね。今度また意外な土地で一緒に演ろうよ。お互いツアーは drive safe で。
. Inrun Publics、人として君らが好きだなー。だから、あんま頭デッカチになんなよー。
. 吾郎さん、いろんな人のお世話になってるけど、いろんな人に言葉をかけてもらっているけど、あなたは別格です。
. シノッピー、京都と神戸、二人で演れて最高に楽しかったよ!でもあんた、絶対おかしいと思うよ。頭ん中のどっか。思い出すだけで…特別な夜だった!
. カメ君、短パンの件、助かったわー。今後もガンちゃん共々よろしく。
. Three Tides Tattoo のみんな、気持ちの良い一日をありがとう!また大阪で休みの時はよろしくー。
. Spread、一緒に演ったのは7〜8年振り?何にせよ、また同じステージに立てて嬉しかったよ。お互いオヤジになったけどねー。マスピーがくれたノド飴が、何だか普通じゃない有難味を感じたよ。
. 野津君、いつもいつも面倒みてくれてありがとう。そんで改めて、結婚おめでとう!
. フッケン、自分のライブ前にもかかわらず、観に来てくれてありがとう。博多でお前の顔を見るとホッとするよ。
. 羽田ボーイ、初セキュリティーでゴールを許さないあたり、さすがプロだなー。人生いろいろあるからさ、何するにしても迷わなければ結果はついてくるよ。
. 伊賀ちゃん、この付き合いは一生モンでしょ、兄弟。
. アニキ、…アニキ、…A Nicky。I fuckin' love you。
. アキちゃん、音でか過ぎ。生きててくれて嬉しい。あなたの一言が悔しくて、あなたの一言に報いたくて、Ken Yokoyama をやってるんだ。死んでもらっちゃ困りますよ。
. Ken Band チームの タン君、オカベ、糞メキ、金太郎、Fat Master、バカダイ、そして Pizza Of Death のI.S.O.、おいたん、ナベさん、…オレからの気持ちは筆舌に尽くしがたし。これからも呉々も宜しく。

 …と、ここまでいろいろと書いたが、「たかが一本のツアーを終えたくらいで大袈裟な…」、というか…、読み返してみると、少々気恥ずかしい。照れなのか何なのか…。

 オレの音楽人生はこれで終わるワケじゃないし、ツアーやライブはこれからもズーッと続く。

 まぁ…たまには感謝の気持ちを大っぴらに見せるコトも、そんなに悪いコトではないだろう。

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