「Punkspring に於けるロマン」
4月、幕張で開催された「Punkspring」に参加した。日本からは
Ken Band の他にも、Ellegarden、マキシマム・ザ・ホルモンなどが参加し、海外からは謂わずと知れた
NOFX をヘッドライナーに据え、Jimmy Eat World、Dropkick
Murphy's、そして Toy Dolls !
演奏するコトももちろん楽しみだったけど、NOFX
を久し振りに観るのが楽しみだったし、何しろ
Toy Dolls を観るのが楽しみだった。
Toy Dolls を観るのは、10年くらい前の渋谷クアトロ以来だ。その頃
Toy Dolls は日本盤をトイズ・ファクトリーからリリースしていて、ディレクターに誘われて観に行き、ついでに楽屋にもお邪魔したのだった。
Toy Dolls といえば、オレが高校生の頃から第一線で活躍していたパンクバンド。
「楽屋行こうよ。せっかくなんだから挨拶すればイイじゃん。」と担当ディレクターにほぼ無理矢理連れていかれたライブ後の楽屋、オレは相当緊張してた。そこにフラッと汗ダクのまま現われた
Olga、「ゲッ、本物じゃん!」と後ずさりした。オレは「ハイ…。」と言って、握手をしようと手を差し出すしかなかった。そしてディレクターが、彼は
Ken で Hi‐Standard のギターなんだ、と紹介してくれた。すると
Olga は「オー、君がか」という様な合点のいった笑顔で握手してくれて、そしてオレのアゴヒゲを見て、「ヒゲ剃り貸してやろうか?」と本場一流の英国紳士ジョークをお見舞いしてくれた。オレはひきつりながら「サンキュー…、サンキュー…」とつぶやき、逃げるように楽屋を後にしたのだった。
このバンド、ヴォーカル/ギターの Olga 以外のメンバーはいつも流動的だ。しかし何と今回、ドラムに我が
Duncan が選任された。実は昨年末から「オレ
Toy Dolls でドラム叩くコトになったよ。」と
Duncan からは聞いてはいた。ライブやツアーの様子もいろいろ聞いたが、イマイチ
Toy Dolls でドラムを叩く Duncan がイメージ出来ずにいた。それをこの目で確かめるのが、まず楽しみだった。それから
Duncan を通じ Olga とネットでやり取りもできる環境になり、オレは
Olga との再会も心から待ち遠しく思った。追記だが、Olga
は10年前のヒゲ剃りの一件、全く覚えていないらしい…。
当日、会場入りして真っ先に Toy Dolls の楽屋に向かった。そこには
Duncan の姿はなく、Olga が一人でいた。あらためて挨拶してハグして、どれほど今日の再会を楽しみにしていたかを伝えた。そして
NOFX の楽屋に行くと、NOFX のメンバーは誰一人いない…その代わりに、なにやら食べ物を物色している様子の
Duncan と遭遇。二人して大笑いした。
NOFX のメンバーやクルーとは付き合いが長い。みんな旧知の仲だ。最近の
NOFX の日本ツアーでもなかなかクルーが全員揃っているコトがなかったのだが、今回は勢揃いだった。友達が一箇所にこんなに揃ってると、さすがにはしゃいでしまう。どうやらそれはオレに限った話ではない様で、NOFX
の楽屋がまるで同窓会の様相を呈してしまった。楽しいもんだ。何故だか、ホッとする。
そうこうしてるうちに、Toy Dolls のライブの時間になった。急いでステージ脇に行くと、もう1曲目が始まっていた。Duncan…ドラム叩いてる。コーラスもしてる。全然違和感がなかった。オレは
Fat Mike の隣に腰掛けた。…観ているうちに、あるコトを思い出した。Hi‐Standard
は Fat Wreck Chords のプロモーション・キットで「NOFX
と Toy Dolls をミックスアップした様なサウンド」と紹介されていたものだ。
Mike に耳打ちした。「Fat でよく『NOFX と
Toy Dolls のミックスアップ』って紹介されていたじゃない?そんで今、Mike
の隣で Toy Dolls を観るコトになるとは…人生っておもしろいよ。」、すると
Mike はこう言った。「もう一つ、Snuff を忘れてるぞ。」と、ドラムを叩いてる
Duncan を指差した。そうだった。
いろんな人に影響を受けてきたが、パンク・ロックに於いての自分のヒーロー達に囲まれていたとは!オレは若かりし頃
Toy Dolls の音楽に触発され、Snuff の音楽にド肝を抜かれ、NOFX
の音楽に自分の夢を重ねた。それから Mike と出会い、Duncan
と出会い、Olga と出会い、2007年の今も彼らと舞台を共有し、音楽で生きている。
こんな幸せ者、そうはいない。
Toy Dolls のライブを満喫し、オレは隣のステージに移動し、自分のバンドの演奏をした。
文句無しに楽しかった。
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